有機農業「面」に広げる 金子美登さん死去 共同通信アグリラボ所長 石井勇人
(有機農場での金子美登さん=2008年3月27日、埼玉県小川町) 農薬や化学肥料を使わない有機農業の第一人者で、しもざと有機野菜塾(埼玉県小川町)を運営してきた金子美登(かねこ・よしのり)さんが9月24日、心筋梗塞のため死去した。74歳だった。農場の見回りに出掛け、軽ワゴンの運転席で倒れていたとい...
敷けるか農政の軌道 JA出身の野村哲郎氏 小視曽四郎 農政ジャーナリスト
第2次岸田改造内閣の農林水産相に参院議員の野村哲郎氏(78)が就任した。野村氏はJA鹿児島中央会に35年務めた。JA職員として「大臣、お願いします」と腰をかがめていた身分が逆に頼まれる側になり、本人はもとより組織内の喜びは大きい。「全面的にサポートしたい」(JA全中)との声もうなずける。(写真:香...
農業政策の総点検が不可欠 基本法改正を急ぐ前に アグリラボ所長コラム
農業政策の憲法とも言われる「食料・農業・農村基本法」の改正に向けた検討が始まった。しかし、基本法自体に問題があるのか、同法を運用する側に問題があるのかは、慎重な見極めが必要だ。改正の大前提として、基本法が施行されてから20年余りの農業政策の功罪を総点検する必要がある。 岸田文雄首相は9月9日に官...
「食料安保」は錦の御旗か 生産者優遇の農水予算膨張 アグリラボ所長コラム
ウクライナ戦争など「有事」を受けて、国の予算は防衛費を中心に大きく膨れ上がる。2023年度予算の概算要求は110兆円を突破した。農林水産省の予算も例外ではない。食料安全保障を名目に大幅に増額される。しかし、本コラムで再三指摘しているように、食料安保は幅の広い概念であり、国民にとって何が課題なのか具...
食料安保対応で農政通起用 新農相に野村哲郎参院議員 アグリラボ所長コラム
第2次岸田改造内閣の農林水産相に、野村哲郎参院議員(78)が就任した。農業政策を決定する重要局面で非公式に開かれる幹部会「インナー」のメンバーであり、農林議員の重鎮だ。約35年勤めたJA鹿児島県中央会で常務理事まで務め、農水官僚とも太いパイプがあり、複雑な農政を知り尽くしている。「有事に対応する(...
まき続けた「小農」の種 山下惣一さん死去 共同通信アグリラボ所長 石井勇人
農作業に従事しながら小説やルポを発表、小規模農家の重要性を訴えて続けてきた山下惣一さんが7月10日、亡くなった。86歳。佐賀県唐津市の自宅で肺がんの療養を続けていた。 玄界灘に面した同市湊町の自宅を訪ねたのは2016年11月だった。食卓を挟んだ大型テレビに向かって、大相撲九州場所で活躍する地元の...