農村撤退の分岐点 復旧遅れる能登半島 アグリラボ編集長コラム
年初の震災から半年余り、7月10日に輪島市中心部から南へ約1キロメートルの商業施設「ワイプラザ輪島店」で朝市が復活した。オレンジ色のテントの下で、地元の約30店が地元の農産・水産物、加工食品、工芸品などを会話を交わしながら売る日常が、部分的だが戻ってきた。 一方、約1.5キロメートル離れた本来の...
涙の最終審議 「総意なき」改正基本法が成立 アグリラボ編集長コラム
改正食料・農業・農村基本法は、5月29日の参院本会議で可決・成立、6月5日に公布・施行された。参院では「良識の府、再考の府」の名に恥じない審議を期待したが、与党・政府は野党の修正要求に一切応じず、法案を1本化できなかった。 農業政策は国民的課題であり、右も左もなく、党派を超えて合意形成を図るべき...
岸田首相の農業観 参院の基本法審議に期待 アグリラボ編集長コラム
食料・農業・農村基本法の改正案は4月19日に衆議院本会議で可決され、参議院の審議に入った。残念ながら、与野党の修正協議は不調に終わり、4本もの修正案が提出されて採決となり、野党の修正案は否決された。 本来、「国の基(もとい)」である農業の政策については、右も左もなく党派を超えて合意を形成するべき...
食農教育の充実が必要 静岡県知事の発言に違和感 アグリラボ編集長コラム
年度初めに報じられた川勝平太・静岡県知事の職業差別と受け止められる暴言は、5日の会見でようやく撤回された。その後、焦点はリニア新幹線の着工時期や県知事の後継、果ては退任時期やボーナス受給の妥当性に移っている。 しかし、知事の発言には釈然としない違和感が残った。それは、例示として「野菜を売ったり、...
食料自給率の死角 基本法改正で熟議を期待 アグリラボ編集長
「農業政策の憲法」と言われる食料・農業・農村基本法の改正案が国会に提出され、いよいよ審議に入る。これまで明確な定義がなかった食料安全保障について「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる状態をいう」(改正案2条)と明記し、基本理念に追加(同1条)する点は高く...
期待外れの基本法改正 「農業ムラ」から脱皮せよ アグリラボ編集長コラム
(写真は首相官邸ホームページから) 通常国会が1月26日に招集され、岸田文雄首相は30日の施政方針演説で「農政の憲法」とされる食料・農業・農村基本法を改正する決意を示した。ただ、関連法案の整備が貧弱で、具体的な施策が先送りされ、現段階では実効性に乏しい内容になりそうだ...