埋没した消費者視点 生産最重視の食料安保大綱 アグリラボ所長コラム
岸田文雄政権は昨年末に「食料安全保障強化政策大綱」をまとめ、「構造転換」を打ち出した。しかしその具体策は国内生産を最重視する内容で、従来の政策と本質的に変わらない。食料安保を強化するためには、視野の狭いたこつぼ型の発想から脱却し、貧困対策などと融合した総合的な政策が必要だ。 政府は昨年12月27...
緊張感持ち知恵を出せ 本気度足りない政府の基本法検証 小視曽四郎 農政ジャー...
政府の食料・農業・農村基本法の検証作業の行方が注目される。ついに食料安全保障の確立に向け「本気モード」の姿勢だが、検証の様子を見ると、集中度、緊迫度、課題に立ち向かう積極さ、中長期的な展望意欲などさまざまな面で物足りなさを感じてしまう。補正予算で1000億円超の「食料安保予算」が組まれたのは歓迎だ...
サッカー強国は農業大国か 食料事情安定が不可欠 共同通信アグリラボ所長コラム
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は、16強による決勝トーナメントが始まり、連日熱戦が繰り広げられている。アルゼンチン、フランス、オーストラリア、ブラジル、米国など農業大国の出場チームが多い印象を受ける。サッカーの強弱と食料生産との間に相関関係はあるだろうか。 農業大国かどうかは、さま...
飢餓撲滅でブラジル・ルラ氏に期待 大統領復帰、成長・福祉の両立に実績 アグリ...
ブラジルの左派労働党のルラ元大統領が、来年1月1日に政権に返り咲く。10月30日の決選投票で現職のボルサナロ大統領を僅差で破った。2003~10年の在任中に貧困対策や飢餓の撲滅で実績を上げており、ロシアによるウクライナ侵攻などで国際的に飢餓人口が増える中、その手腕に強く期待したい。 ルラ元大統領...
「農業版・新しい資本主義」は実現するか フランス制度の研究始まる アグリラボ...
農林水産省が農産物や食品の「買い叩き」を規制するフランスの制度の調査・研究を始めている。価格の形成を市場に任せず、規制を重視する点で「新しい資本主義」と言える。問題はその実現性だ。 10月28日に岸田文雄首相が発表した総合経済対策には驚いた。20兆円規模といわれていた2022年度第2次補正予算は...
アフリカ豚熱の警戒強化を 人畜共通感染症への対応必要 アグリラボ所長コラム
ウクライナ戦争の影響などで食料価格が高騰し、食料の安定供給に対する関心が高まっているが、見落としがちなのが動物や植物の感染症だ。岸田文雄政権は入国制限を緩和したが、感染症のリスクを高めるという副作用を伴う。食料の安定的な供給を確保する上で、動植物の検疫の強化が必要だ。 特に致死率が高く有効なワク...