有機農業「面」に広げる 金子美登さん死去 共同通信アグリラボ所長 石井勇人
(有機農場での金子美登さん=2008年3月27日、埼玉県小川町) 農薬や化学肥料を使わない有機農業の第一人者で、しもざと有機野菜塾(埼玉県小川町)を運営してきた金子美登(かねこ・よしのり)さんが9月24日、心筋梗塞のため死去した。74歳だった。農場の見回りに出掛け、軽ワゴンの運転席で倒れていたという...
海を守るツールになるか 水産養殖の課題 佐々木ひろこ フードジャーナリスト(...
「天然資源が減って海が大変な状況なので、養殖魚に切り替えていくべきなんですよね?」 講演やシンポジウムで私たちの活動や思いをご紹介すると、このようなご意見、ご質問をいただくことがある。海の危機についての報道がぐんと増えたここ数年は、特に多いように思う。(写真:ノルウェーのアトランティックサーモン養...
「動物福祉」先行する欧州 デンマーク、母子豚放牧の現場 共同通信アグリラボ所...
家畜をできるだけ恐怖や苦痛などストレスが少ない環境で育てる「動物福祉(アニマルウェルフェア)」の考え方が国際的に広がり、農林水産省も動物福祉の指針の策定を進めている。養豚を例に、動物福祉の分野で先行するデンマークの事情を報告する。(写真:動物福祉を重視して母子ともに放牧するデンマークの養豚場=ユト...
集落を体験する 奄美大島の大和村 沼尾波子 東洋大学教授
2021年7月、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の4地域は世界自然遺産に認定された。常緑広葉樹多雨林に覆われた亜熱帯性気候を有するこの地域は、世界の生物多様性ホットスポットの一つともいわれ、多くの固有種や絶滅危惧種が生息する。 先日、その奄美大島にある大和村(やまとそん)を訪問する機会を得た。...
欧州で進む「草」への転換 米州産大豆からの脱却目指す 共同通信アグリラボ所長...
農業生産と地球環境との調和を目指す潮流が強まる中、欧州では畜産業のあり方が見直されるだけでなく、家畜の飼料の供給源として米州産大豆への依存から脱却する動きが強まっている。肉や大豆に代わるタンパク質を確保する上で、切り札となるのは意外にも「草」だ。(写真:タンパク質の供給源として草に着目するデンマー...
食文化を未来へ 守りたい海、魚 佐々木ひろこ フードジャーナリスト(Chef...
私が海の現状と初めてまっすぐ向き合ったのは6、7年前のこと。魚の激減という現実を突きつけられ、そのショックの大きさをきっかけに学び始めたのだが、じつはそこでまず感嘆したのは、日本の海が本来持つポテンシャルの大きさだった。(写真:京都のさばずし) 国土面積でいえば世界で38位、という決して大きいとはい...