まき続けた「小農」の種 山下惣一さん死去 共同通信アグリラボ所長 石井勇人
農作業に従事しながら小説やルポを発表、小規模農家の重要性を訴えて続けてきた山下惣一さんが7月10日、亡くなった。86歳。佐賀県唐津市の自宅で肺がんの療養を続けていた。 玄界灘に面した同市湊町の自宅を訪ねたのは2016年11月だった。食卓を挟んだ大型テレビに向かって、大相撲九州場所で活躍する地元の大...
栄養素で考えたい食料自給率 タンパク質に着目する北欧 アグリラボ所長コラム
ウクライナ戦争や新型コロナの感染拡大で食料自給率に対する関心が高まり、政策課題として参院選の焦点の一つにもなった。しかし、相変わらず「先進国最低の37%」という数値が独り歩きし、一般論として国内生産の重要性が認識されても、具体的な議論が深まらない。(写真:デンマークの穀倉地帯。タンパク質の完全自給...
気になる軍拡志向 食料安保対応、平和外交を基本に 小視曽四郎 農政ジャーナリ...
収束の行方がわからない新型コロナや気候変動、長期化するロシアのウクライナ侵攻という「多重苦」で食料安全保障への関心がかつてなく高い。5月21日の国連安全保障理事会では「ロシアのウクライナへの戦争は世界の食料安保への戦争だ」(ドリビエール仏国連大使)などどぎつい発言も飛びかい、食料への世界的な緊迫ぶ...
できるか需要拡大 国産小麦に期待 前田佳栄 日本総合研究所創発戦略センターコ...
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、世界的な小麦の価格高騰が懸念されている。ウクライナ、ロシアともに世界有数の小麦の輸出国であり、両国分を合わせると2020~21年の世界の小麦輸出の3割を占める。ウクライナ産については、生産量の減少が見込まれる上に、収穫後の貯蔵や輸送にも影響が出ると想定されている...
林業活性化へ国産材活用を 求められる政策支援 真柄勳 重化学工業通信社記者
「森林大国」である日本は森林が豊富な一方で、木材自給率は4割にとどまる。国内では主伐期にある人工林も多く広がっているが、森林の着実な整備や木材の活用が求められる。最近では、国産材活用へ向けた、企業による設備投資の新計画などの発表が相次ぐ。森林の整備や国産材の活用推進、また国内林業の活性化には、企業...
2年後の基本法改正目指す 森山元農相、食料安全保障で見解
自民党の「食料安全保障に関する検討委員会」の委員長である森山裕元農相は5月30日、「農政ジャーナリストの会」の研究会で講演(オンライン併用)し、食料・農業・農村基本法について「2024年の通常国会に改正案を提出できればありがたい」と述べ、党主導で抜本的に見直す考えを示した。 食料・農業・農村基本法...