季節のない〝助っ人鍋〟 畑中三応子 食文化研究家 連載「口福の源」
先日、とある老舗のビストロで、長年冬限定だったカスレ(フランスの代表的な鍋料理)を客の熱望で一年中提供するようにしたと聞いた。夏は冷房で体が冷えるので、むしろ暑い季節に熱々の料理を注文する人が増えたという。たしかに家でも一年中鍋を食べるようになった。冬にぬくぬくの部屋で食べるアイスクリームがおいし...
噴火リスク負う肥沃な大地 農業大国インドネシアの食料安全保障(2) NNA
世界有数の活火山を持つインドネシア。活火山の周辺に住む人々は噴火リスクを負う一方、火山灰が積もって形成された、肥沃(ひよく)な土地を生かし食料生産に貢献してきた。農業生産量が国内屈指の北スマトラ州は近年、大規模な噴火が起きている州の一つで、食料生産や農家の生活への影響も懸念されている。被災後に強制...
失策重ねるフードエステート 農業大国インドネシアの食料安全保障(1) NNA
インドネシアは世界的には農業大国と位置付けられている。しかし、2045年に先進国入りを目指す上での原動力となる「人口ボーナス」を支える食料の自給体制は盤石とはいえない。農作物によっては輸入に大きく依存している。政府は官民を挙げて農業生産高の増加に取り組むが、食料政策や自然災害、気候変動、生産効率な...
農業基本計画、年度内改定 週間ニュースダイジェスト(6月9日~6月15日)
▼農業基本計画、年度内改定 価格転嫁法案、来年提出(6月12日) 岸田文雄首相は官邸で開いた会合で、中長期的な農業施策を示す「食料・農業・農村基本計画」を2024年度中に改定するよう関係閣僚に指示した。農産品の価格転嫁を後押しする新たな法制度について、来年の通常国会での法案提出を目指して検討を進め...
水産資源管理の推進、なぜ重要か 佐々木ひろこ フードジャーナリスト 連載「グ...
日本の総漁獲量は長期にわたって減少し続けており、わが国海域の水産資源は今、間違いなく危機にある。沿岸開発や温暖化の影響、海の再生産能力を超えた漁獲などがその要因と考えられているが、いずれであったとしても、資源を回復させるためには資源管理を進めることが重要だという趣旨の講演を行うと、必ず受ける質問が...
「顔の見える」情報いかに 鬼頭弥生 農学博士 連載「口福の源」
食の情報提供やリスクコミュニケーションに関する研究をしていると、しばしば、健康食品をめぐる宣伝や情報の問題が話題に上る。そして、そこでは「健康食品に関する個人の体験談はあくまで一個人の体験談。効能の有無は、統計的・科学的な情報を確認して判断しましょう」といった、情報を読み取る際に注意すべき事項を消...