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中国、豪産ロブスターの輸入を再開  NNAオーストラリア

2024.10.11

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中国、豪産ロブスターの輸入を再開  NNAオーストラリアの写真

 オーストラリアのアルバニージー首相は10日、中国の李強首相がオーストラリア産ロブスターの輸入再開に合意したと明らかにした。両首脳はASEAN首脳会議に参加するためラオスを訪問、別途2国間協議を行った。繁忙期に当たる中国の旧正月に間に合うよう、今年の年末までに再開するという。中国がこれまで導入していたオーストラリア産農産物の貿易制限は、一部の牛肉を除きほぼ解除された形だ。(写真はイメージ)

 中国はこれまで、オーストラリア産ロブスターの輸入禁止を検疫上の問題を理由としていた。だが、実際には2020年に当時のモリソン首相が中国に対し、新型コロナウイルス調査を要求したことに対する報復措置とみられていた。

 22年5月にオーストラリアで政権が交代し、与党となった労働党は中国との関係改善を模索。外相や貿易相の会談が再開し、23年にかけて関係緩和が進んだ。これを受け大麦やワインの関税も撤廃され、ロブスターと牛肉の一部業者が最後に残っていた状態だ。

 今年6月には李首相がオーストラリアを訪問し、10月中旬にはラインズ上院議長が議会代表団を率いて中国を訪問するという。

 アルバニージー氏は今回の合意を受け、「西オーストラリア州や南オーストラリア(SA)州、タスマニア州などが輸出再開の恩恵を最も受ける」と述べた。また、SA州のマリナウスカス首相は、この貿易再開を歓迎し、「SA州のロブスター産業にとって重要な貿易ルートが再び開かれる」とコメントした。

(オセアニア農業専門誌ウェルス(Wealth) 10月11日号掲載)

【ウェルス(Wealth)】 NNAオーストラリアが発行する週刊のオセアニア農業専門誌です。

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