国内資源の利活用重要に 肥料原料、調達が不安定化 中川純一 矢野経済研究所フ...
日本は主な化学肥料の原料である尿素、リン酸アンモニウム(リン安)、塩化カリウムのほぼ全量を輸入に依存している。農林水産省によると、2020年度は尿素は輸入量の8割以上をマレーシアと中国に、リン安は9割を中国に、塩化カリウムは9割弱をカナダとロシア、ベラルーシに依存している。(写真はイメージ) 世...
22年の農業景況感が過去最悪 飼料高が畜産直撃 日本公庫が調査
日本政策金融公庫が14日発表した農業景況調査(2023年1月調査)によると、2022年の景況DI(「良い」という回答の割合から「悪い」という回答の割合を差し引いた数値)はマイナス39.1と、前年実績から9.5㌽悪化し、1996年の調査開始以来の最低となった。23年の見通しもマイナス31.8で、22...
酪農でも「異次元対策」を 王国・北海道に危機 小視曽四郎 農政ジャーナリスト
「どんな寒い年でも草は生える、草があれば牛は飼える、牛の糞尿があればよい土ができる」。約120年前、そんな信念で牛飼いを始め、荒ぶる自然と厳寒に立ち向かい、今日の酪農王国、北海道の礎を築いた黒澤酉蔵翁の言葉だ。(写真はイメージ) 明治期、北海道に渡った開拓民は当初、施肥をせず粗放的農業を行い、収...
法廷闘争が残した負の遺産 誰も責任をとらない諫早干拓 アグリラボ所長コラム
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防の排水門を開くか閉じるかで争われた訴訟は、最高裁が3月1日に「非開門」の判断を下し、約20年にわたる法廷闘争は事実上決着した。一度は「開門」で確定したはずの逆転に、「(国に)見捨てられた気分だ」、「立つ気力もない」という漁業者の無念や落胆は察するに余りある。...
食料安保は農家への敬意から 穀物も肉も頼りは国内 小視曽四郎 農政ジャーナリ...
同じ安全保障の問題でもかくも大きな差を感じるのは、防衛力と食料への岸田文雄首相の態度だ。防衛ではバイデン米大統領に約束していた「抜本的強化」と「相当な増額」が、新春の訪米土産として出来上がったようだ。対する食料政策。価格高騰を「日本経済の大きなリスク要因」と、食料安保の重視を明言した首相。だが20...
緊張感持ち知恵を出せ 本気度足りない政府の基本法検証 小視曽四郎 農政ジャー...
政府の食料・農業・農村基本法の検証作業の行方が注目される。ついに食料安全保障の確立に向け「本気モード」の姿勢だが、検証の様子を見ると、集中度、緊迫度、課題に立ち向かう積極さ、中長期的な展望意欲などさまざまな面で物足りなさを感じてしまう。補正予算で1000億円超の「食料安保予算」が組まれたのは歓迎だ...