22年の農業景況感が過去最悪 飼料高が畜産直撃 日本公庫が調査
2023.03.14
日本政策金融公庫が14日発表した農業景況調査(2023年1月調査)によると、2022年の景況DI(「良い」という回答の割合から「悪い」という回答の割合を差し引いた数値)はマイナス39.1と、前年実績から9.5㌽悪化し、1996年の調査開始以来の最低となった。23年の見通しもマイナス31.8で、22年実績から7.3㌽改善するものの、大幅なマイナスが続きそうだ。(写真はイメージ)
22年実績は全ての業種でマイナスとなり、特に北海道の酪農はマイナス87.7(23年見通しはマイナス67.4)、都府県の酪農もマイナス84.8(同マイナス36.8)と苦境が際立っている。生乳の過剰生産に加え、飼料など資材価格の高騰が影響している。
昨年まで景況感が良かった養豚と採卵鶏も、それぞれマイナス74.2(マイナス50.9)、マイナス65.4(マイナス5.6)と悪化し、肉用牛はマイナス62.0(マイナス37.7)、ブロイラーもマイナス41.1(マイナス42.1)とすべての畜産業が大幅なマイナス圏に沈んでいる。
あわせて実施した「今後重視する経営方針」に関する調査では、稲作など耕種は「効率化への設備増強」(47.5%)が最も多く、次いで「生産規模の拡大」(40.1%)、「人材確保、育成の強化」(33.7%)の順だった。畜産では「効率化への設備増強」(42.4%)が最も多く、「現状維持」(40.6%)、「人材確保、育成の強化」(35.9%)が続いた。
調査は、全国の融資先の2万3305の担い手を対象に郵送で実施し、回収率は31.9%だった。
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