ボルシチはおいしかったが... ウクライナでコメなし50日 水谷竹秀 ノンフ...
「郷に入っては郷に従え」ということわざがある。訪れた土地の文化や風習に従うべき、という意味だ。取材で海外に出る時、私は現地の料理を食べるのを鉄則にしてきた。だから日本料理店には目もくれない。 戦地のウクライナで取材をするため、日本をたった3月下旬時点でもそう決めていた。ポーランドを経由し、陸路で国...
平麺とこってりスープは変わらず 思い出のラーメン「赤のれん」 小川祥平 登山...
誰にでも「思い出の店」なるものがあるはずだ。親に連れられていった。友人と入り浸った。1人で何度も通ったー。そんな店は、味だけではなく、なにかの記憶と結びついている場合も多い。ぼくにとってのそれは「元祖赤のれん 節ちゃんラーメン」(福岡市中央区)である。 一番通ったのは中高時代。近くに友人の家があっ...
苦い方が効く? 商品増える青汁 畑中三応子 食文化研究家
青汁の愛飲層が広がっている。「体によいが苦くてまずい」「シニアが健康のために飲むもの」というイメージが強かったが、2017年にフルーツ青汁が大ヒットして以来、消費者の青汁に対する意識が変わった。おいしくて飲みやすい青汁が次々と開発され、パッケージがおしゃれになり、若い世代にも浸透しつつある。 青汁...
消えていく売り声 「土地を食う」駅弁150年 植原綾香 近代食文化研究家
「お茶ーエー、弁当いかが、ビール正宗いかが、東京・大阪の新聞でござーい」。今では耳にしない駅弁売りの声である。列車のスピード化、乗り換え時間の短縮、窓の開かない列車によりホームでの立ち売りの姿は歴史遺産となったが、かつてそれぞれの駅では地方色ある売り声が響いた。 駅構内で最初の販売許可願いが出され...
しっかり麺をアツアツで 長崎・五島の"地獄炊き" 小島愛之助 日本離島センタ...
皆さんは日本の三大うどんをご存じだろうか? 香川県の讃岐うどん、秋田県の稲庭うどん、とここまでは誰も異論がないところだろう。しかし3番目は?となると諸説があるようである。 長崎県の五島うどん、群馬県の水沢うどん、富山県の氷見うどんがそれである。ということで、今回は、「3番目」の候補の一つである五島...
ピートロを「もう1皿」 前橋で楽しんだ豚ホルモン 眉村孝 作家
2月下旬に学生時代の友人と訪れた赤城山・大沼(前橋市)。氷上ワカサギ釣りに難儀したものの、大沼で捕れたワカサギのフライを食べることができた。経緯は先日とりあげた通りだ。 氷上ワカサギ釣りに挑む 赤城山の湖・大沼 私は満足したが、なんとなく落ち着かない。友人はこの旅を今ひとつと感じているのではないか...
パイオニア精神受け継ぐ 豚骨ラーメン三馬路 小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編...
福岡市内で最初の豚骨ラーメン店は、1940(昭和15)年ごろに中洲で開業した屋台「三馬路(さんまろ)」とされる。豚骨発祥の店「南京千両」(福岡県久留米市)は横浜の南京街の味をヒントにしたのだが、こちらは本場の中国の味を持ち込んだようだ。 創業者は森堅太郎さん。それまで大陸を渡り歩いた森さんがデパー...
元サムライも牧場経営 近代酪農発祥の地・東京 畑中三応子 食文化研究家
3月末から4月頭にかけて、コンビニ各社が牛乳を値引き販売した。春休み、大型連休で学校給食がなくなり、生乳が再び廃棄される懸念が浮上したためだ。あるスーパーは1リットルパックを100円で売っていて、あまりの安さに衝撃を受けた。 全国の酪農家戸数は1963年の約42万戸から、2020年には約1万400...
百貨店食堂「見本棚」で集客 実物見る安心感 植原綾香 近代食文化研究家
舌平目のムニエルと聞くと伊丹十三監督の映画「タンポポ」のワンシーンを思い出す。 お偉いさん一行がフランス料理で注文する場面。ウエーターから差し出された横文字だらけのメニューが理解できず、全員が同じ舌平目のムニエルを注文していく。最後はいかにも間抜けそうな下っ端がウエーターと話しながら注文を決めてい...