食べ物語

   

グルメ

魅力増すジビエ料理  コンテスト応募レシピが200超  畑中三応子 食文化研究家の写真

魅力増すジビエ料理  コンテスト応募レシピが200超  畑中三応子 食文化研究家

「第6回ジビエ料理コンテスト」の2次審査が2021年12月に行われ、各賞が決まった。害獣として駆除されるシカ、イノシシの食肉利用拡大をめざし、農林水産省が鳥獣利活用推進支援事業の一環で実施するイベントだ。 テーマは「国産のシカ・イノシシを使い、多くの人に安全でおいしく提供できる料理」。和洋中のジャ...

ちゃんぽんと利他の心  食べ継がれ全国へ  小川祥平 西日本新聞社出版グループの写真

ちゃんぽんと利他の心  食べ継がれ全国へ  小川祥平 西日本新聞社出版グループ

「アジアと結び付いた世界史を肌で感じられるから」。もう10年近く前の話。直木賞作家の葉室麟さん(2017年に逝去)は九州を拠点に書き続ける理由を語ってくれた。東京が中心なら九州は「周縁」だけれども、アジアを中心に考えるならば九州はその「前線」ということだ。 飛躍するようだが、これはラーメンの歴史に...

群馬・下仁田に豚すき焼きの名店  特産のポーク、ネギ味わう  眉村孝 作家の写真

群馬・下仁田に豚すき焼きの名店  特産のポーク、ネギ味わう  眉村孝 作家

今から10年ほど前のこと。私は親しくなった群馬県下仁田町役場の職員にこんな話題を持ちかけた。「下仁田町には強い特産品があるのに、手軽に味わえる飲食店が少ないのでは」 町には抜群の知名度を誇る「下仁田ネギ」がある。白根の長さが15~20㌢と短く、太さが5センチほどもある。火を通すと独特の甘みととろみ...

横浜の影響受けた九州ラーメン  豚骨発祥の久留米「南京千両」  小川祥平 西日本新聞社出版グループの写真

横浜の影響受けた九州ラーメン  豚骨発祥の久留米「南京千両」  小川祥平 西日本...

ラーメンの始まりについては諸説あるが、明治30年代頃に、横浜の南京街(現在の中華街)で食べられていたのは間違いないようだ。横浜生まれの劇作家、長谷川伸(1884~1963年)は自伝「ある市井の徒」で、若き日の思い出の味を記し、その中に「ラウメン」が登場する。 〈ラウメンは細く刻んだ豚肉を煮たのと薄...

先輩と食べた生サバ  「ごまさば」と「ゴマサバ」    眉村孝 作家の写真

先輩と食べた生サバ  「ごまさば」と「ゴマサバ」    眉村孝 作家

「博多は初めてなのか。それなら同窓生に声をかけるから、博多駅近くの『はじめの一歩』という海鮮居酒屋に行こう。ゴマサバがうまい店だから」 2000年代半ばのこと。私は福岡市を訪れることが決まると、北九州市在住の学校の先輩Fさんに電話した。10歳も上だが、ふとしたきっかけで知り合うと時々声をかけてくれ...

作り置きしない人のために  魔法の調味料でおいしく  タカコナカムラ ホールフード協会代表理事の写真

作り置きしない人のために  魔法の調味料でおいしく  タカコナカムラ ホールフー...

今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎さんが、インタビューで「日本料理で何が食べたいですか」と問われ、「おいしい料理とそれに合うお酒があればいい」とお答えになり、私と同じ意見、と猛烈に親しみを感じてしまいました。 四季折々の旬の食材とそれに合う酒を夫婦で飲み、いい音楽でもあれば、最高。こんな日常...

「ピンス」で猛暑乗り切る  韓国のかき氷は大盛り  平井久志 ジャーナリストの写真

「ピンス」で猛暑乗り切る  韓国のかき氷は大盛り  平井久志 ジャーナリスト

韓国で14年ぶりに生活しているが、今年の夏が一番きつかったように思う。過ぎた韓国の夏を想いながら、お世話になったのは「ピンス」だなあと思った。漢字では「氷水」と書くが、韓国の「かき氷」だ。 日本の「かき氷」と何が違うのかと言うと、日本のかき氷は荒く削るが、韓国のピンスはもっと細かく削る。それで、雪...

生産者を敬って進む  ワイン商としての道  石田敦子 エノテカバイヤーの写真

生産者を敬って進む  ワイン商としての道  石田敦子 エノテカバイヤー

ワインのボトルにはたくさんのドラマが詰まっている。 ワイン商として、その魅力を伝えることは私たちの最大のミッションであるが、ワインビジネスそのものにも人生の哲学を学ぶ場面があふれていて、生産者たちからはもちろん、エノテカ創立者であり、私にとっては育ての父ともいえる廣瀬恭久会長からも多くを学んでいる...

スパイスカレーに熱視線  コメと好相性、自由に創作  畑中三応子 食文化研究家の写真

スパイスカレーに熱視線  コメと好相性、自由に創作  畑中三応子 食文化研究家

日本ではじめてカレーのレシピを掲載した「西洋料理通」と「西洋料理指南」は、西洋料理という語を題名に冠した最初の料理書でもある。刊行はともに1872(明治5)年、前者の著者は戯作者でジャーナリストの仮名垣魯文、後者は敬学堂主人。実質的には両方とも欧米の料理書から直訳した内容だ。最初期のカレーの特徴は...