食べ物語

   

グルメ

身が引き締まり肉厚  対馬と言えば穴子  小島愛之助 日本離島センター専務理事の写真

身が引き締まり肉厚  対馬と言えば穴子  小島愛之助 日本離島センター専務理事

昨年12月に長崎県の対馬島を久方ぶりに訪問した。 釜山から約50㌔の距離にあるという韓国に近い島であるが故に、近年韓国からの観光客でにぎわい、2018年のピーク時には年間約41万人の韓国人観光客が訪れたという。 その後、日韓関係悪化の影響で韓国からの人流に陰りが見られ、加えて新型コロナウイルス感染...

豚骨は久留米から日田へ  来々軒の歴史  小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編集長の写真

豚骨は久留米から日田へ  来々軒の歴史  小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編集長

「ここの屋台は解散。今からはラーメンを広めていこう」 白濁豚骨ラーメンを生みだした屋台「三九」(福岡県久留米市)創業者の杉野勝見さんはそう宣言した。この言葉がなければ、豚骨ラーメンが九州各地に広がることはなかったかもしれない。 宣言した相手は屋台で一緒に働いていた叔父、田中始さん。杉野さんは言葉通...

脂たっぷり肉厚の「黄金アジ」  巡り合った千葉・金谷産  眉村孝 作家の写真

脂たっぷり肉厚の「黄金アジ」  巡り合った千葉・金谷産  眉村孝 作家

「ごめんね。今、終わっちゃったのよ」。11月半ばの平日の午後1時前。東京・八丁堀の路地にあるランチが評判の居酒屋を初めて訪れると、洗い物をしていた女性からこう告げられた。 人気の店だから仕方あるまい。踵を返し、近くでランチの店を探す。すると、同じ路地の奥にある「黄金アジフライ&ヒレカツ ¥950」...

熊本に広がった豚骨  四ケ所日出光さんの功績  小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編集長の写真

熊本に広がった豚骨  四ケ所日出光さんの功績  小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編...

九州中に豚骨ラーメンを広めた立役者を挙げるならば、次の2人だろう。白濁豚骨を生み出した屋台「三九(さんきゅう)」(福岡県久留米市)創業者の杉野勝見さんと、その屋台を継いだ四ケ所日出光(しかしょ・ひでみつ)さんだ。 久留米を離れた杉野さんは北九州市で「来々軒」を開業。親戚にも味を教え、大分県日田市に...

日本海の新鮮な魚に満足  糸魚川「地魚料理すし活」  眉村孝 作家の写真

日本海の新鮮な魚に満足  糸魚川「地魚料理すし活」  眉村孝 作家

引き戸をがらがらと開け「ごめんください」と声をかけた。見知らぬ土地、そして初めて訪れるすし屋。緊張で、声が少しうわずった。いちげんさんに、よそよそしい態度で接するすし屋は少なくない。だが、大将らしき男性から返ってきた「いらっしゃい」の声は、想像していたよりずっと温かみがあった。 新潟県糸魚川市にあ...

広がらなかった白濁豚骨スープ  異端の鹿児島ラーメン  小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編集長の写真

広がらなかった白濁豚骨スープ  異端の鹿児島ラーメン  小川祥平 登山専門誌「の...

九州のラーメンの多くは豚骨誕生の地である福岡・久留米と関わりがある。発祥の店「南京千両」(久留米市)は、長崎のちゃんぽんも参考にして豚骨ラーメンを世に送り出した。白濁した豚骨スープを生みだしたのは西鉄久留米駅前にあった「三九」。その店主が軸となり、北九州、佐賀、大分、熊本、宮崎まで味が広がった。こ...

「山ごはん」の至福  長者原のとり天・だんご汁  眉村孝 作家の写真

「山ごはん」の至福  長者原のとり天・だんご汁  眉村孝 作家

山ごはんが好きだ。 狭い意味での山ごはんとは「登山で山頂に到達したときに食べる食事のこと」だろうか。どんな山でも、頂上に着くころには空腹でおなかがなっている。頂上で食べる食事は普段より数割増しのおいしさを感じる。 「山で自炊してこそ山ごはん」と力説する人もいるだろう。私も山用の小型ガスバーナーとア...

平麺とこってりスープは変わらず  思い出のラーメン「赤のれん」  小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編集長の写真

平麺とこってりスープは変わらず  思い出のラーメン「赤のれん」  小川祥平 登山...

誰にでも「思い出の店」なるものがあるはずだ。親に連れられていった。友人と入り浸った。1人で何度も通ったー。そんな店は、味だけではなく、なにかの記憶と結びついている場合も多い。ぼくにとってのそれは「元祖赤のれん 節ちゃんラーメン」(福岡市中央区)である。 一番通ったのは中高時代。近くに友人の家があっ...

しっかり麺をアツアツで  長崎・五島の

しっかり麺をアツアツで  長崎・五島の"地獄炊き"  小島愛之助 日本離島センタ...

皆さんは日本の三大うどんをご存じだろうか? 香川県の讃岐うどん、秋田県の稲庭うどん、とここまでは誰も異論がないところだろう。しかし3番目は?となると諸説があるようである。 長崎県の五島うどん、群馬県の水沢うどん、富山県の氷見うどんがそれである。ということで、今回は、「3番目」の候補の一つである五島...