ピートロを「もう1皿」 前橋で楽しんだ豚ホルモン 眉村孝 作家
2月下旬に学生時代の友人と訪れた赤城山・大沼(前橋市)。氷上ワカサギ釣りに難儀したものの、大沼で捕れたワカサギのフライを食べることができた。経緯は先日とりあげた通りだ。 氷上ワカサギ釣りに挑む 赤城山の湖・大沼 私は満足したが、なんとなく落ち着かない。友人はこの旅を今ひとつと感じているのではないか...
パイオニア精神受け継ぐ 豚骨ラーメン三馬路 小川祥平 登山専門誌「のぼろ」編...
福岡市内で最初の豚骨ラーメン店は、1940(昭和15)年ごろに中洲で開業した屋台「三馬路(さんまろ)」とされる。豚骨発祥の店「南京千両」(福岡県久留米市)は横浜の南京街の味をヒントにしたのだが、こちらは本場の中国の味を持ち込んだようだ。 創業者は森堅太郎さん。それまで大陸を渡り歩いた森さんがデパー...
氷上ワカサギ釣りに挑む 赤城山の湖・大沼 眉村孝 作家
今年の冬は寒かった。新潟県津南町では2月24日に、419㌢と観測史上最深の積雪を記録した。気象庁によると、全国331の観測地点のうち、最深積雪の記録を更新した地点が12もあったという。 寒い冬が得意なわけではないが、雪や氷の上でのアクティビティーには目がない。「このコラムのネタにできるかも」という...
偶然の白濁スープ 小倉「來々軒」1951年創業 小川祥平 西日本新聞社出版グ...
豚骨ラーメンって何だろうと考える。明治期に横浜・南京街で食べられていたラウメンは豚骨を使っていた。長崎チャンポンも沖縄そばも同じ。ただそれを豚骨ラーメンとは呼ばない。多くの人は豚骨ラーメンに白濁したスープを結びつけているのかもしれない。「豚骨=白濁」であるならば、始まりは北九州市小倉北区の「来々軒...
ポスト・マリトッツォは? イタリア菓子の素朴な魅力 畑中三応子 食文化研究家
その年を象徴する食品や料理を選ぶクックパッド「食トレンド大賞2021」で、「オートミールごはん」に大賞は譲ったものの、順当に入賞を果たしたのが「マリトッツォ」。ローマ発祥のパン菓子である。ぐるなび総研「今年の一皿」でも、軍配は「アルコールテイスト飲料」に上がったが、有力候補だった。 笑い顔のように...
椀に広がる楽しみ 懐中汁粉の魅力 植原綾香 近代食文化研究家
湯を注いでお手軽おいしいといえばカップラーメンが思い浮かぶが、湯を注いで食べる楽しみには意外と歴史があり、戦前に楽しまれたものの一つに懐中汁粉がある。 今でもスーパーや和菓子店で購入できるが、もなかの中に乾燥させたさらしあんが入っており、熱水で即席汁粉が完成する。 正確な起源は不明だが、1888(...
土佐の洗礼 「どろめ」「のれそれ」とは 眉村孝 作家
「お姉さん、どろめに、のれそれをお願い」 今から20年ほど前の春、東京から高知市へ赴任したばかりのころだ。高知市のお隣、南国市で病院を経営するおんちゃん(土佐弁で「おじさん」の意味)とふとしたきっかけで知り合いになり、早速飲むことになった。 おんちゃんが指定した、高知市中心部にある「タマテ」という...
中華麺をカツオだしで 沖縄そばのルーツと魅力 小川祥平 西日本新聞社出版グル...
明治の中期以降、東京や横浜の中華街で「ラーメン」が食べられるようになった。同時期、九州・長崎では華僑が中華麺を使った「ちゃんぽん」を生みだし、豚骨ラーメンへとつながっていく。さらに大陸に近い沖縄では独自の麺文化が根付いた。「沖縄そば」である。 ルーツは琉球王国時代の宮廷料理との説もあるが、詳しいこ...
「わが家の雑煮」を語ろう 県民性では決まらない? 眉村孝 作家
仕事の関係で、いくつかの地方に数年ずつ住んできた。北関東、四国、九州。どの地域にも、生まれ育った埼玉や東京とは異なる食文化があるため、地域の食材や料理をできる限り味わってきた。だがほとんど口にできなかった料理もある。雑煮だ。 角餅か丸餅か、餅を焼くか否か、すまし仕立てか味噌仕立てかー。雑煮は地域に...