新常態とビアガーデン 野村亮輔 アジア太平洋研究所研究員
新型コロナウイルスの感染拡大が続いている中、今年の夏はこれまで経験したことがないものとなっている。その影響は各所で現れている。 関西においても、大阪府の天神祭で例年行われている花火大会は中止となり、京都府の三大祭りの一つである「祇園祭」も神事を縮小して行うなど、その社会的影響は大きい。 コロナ禍に...
魅力満載の佐渡島 小島愛之助 日本離島センター 専務理事
新潟市から西に約45㌔の日本海上に浮かぶ、わが国最大の離島が佐渡島である(北方領土を除く)。面積は854.76平方㌔で、東京都区部の1.36倍を超えている。島の地形は三つに大別でき、北部の大佐渡山地と南部の小佐渡山地に挟まれた中央部には、広大な穀倉地帯である国仲平野が広がっている。 大佐渡山地の方...
食べ物あれこれ(タ行) 落語の森 紫紺亭圓夢
「豆腐くらい良いものは、ない。値が安く、とにかく食べやすい! 骨もなければ皮もない!」と世に出る前の荻生徂徠が絶賛しながら、お代を払わなかったのが「徂徠豆腐」。確かに四季を問わずおいしく、酒に良くって飯にいいのが豆腐。 「出世払いでいいやな」と言ってくれた豆腐屋・七兵衛さんとのご縁が始まる。珍しく...
開けてみようワインの扉 石田敦子 エノテカ バイヤー
ワインの輸入販売を手掛けるエノテカ(1988年創業)のバイヤー、石田敦子(いしだ・あつこ)さんが、ワインの魅力を語ります。(写真:イタリア・ピエモンテのバローロで畑の説明を聞く筆者=右=2019年1月、出張時) ワインのボトルにはたくさんのドラマが詰まっている。 私は大学新卒でワイン業界に飛び込ん...
「からあげ」 言の葉の森 高島哲之 毎日新聞社校閲センター
「からあげ」はお好きですか? ビールによし、ごはんのおかずによしの「からあげ」ですが、弊社が発行する毎日新聞の表記の規則を定めた「毎日新聞用語集」が2019年5月に改訂され、そのなかで一大変更(?)があったのがこの「からあげ」です。 からあげを辞書で引くと「小魚・鶏肉などを、衣をつけずに、あるいは...
食べ物あれこれ(サ行) 落語の森 紫紺亭圓夢
先々代(三代目)桂三木助師がマクラでよく演っていた。「そっちは何が好きだい?」「刺身ィ」「えらいッ。これはいいねェ、酒によくって飯にいいんだからね。やっぱり...なにかい? 山葵ィ利かして...?」「いやァ、ジャムつけて」 刺身(さしみ)は、いろんな噺に登場する。多くの演者が演るのが「厩火事」、昼...
刺身で味わえるサバ 小島愛之助 日本離島センター専務理事
鹿児島県の屋久島は鹿児島市から約135キロメートル、九州本土最南端の佐多岬から約60キロメートルに位置する島である。太平洋と東シナ海に囲まれ、黒潮と親潮がぶつかる海域があり、年間を通して温暖な気候に恵まれている。 屋久島の特徴は何といっても雨量の多さであり、林芙美子さんの「浮雲」に「屋久島は月のう...
食べ物あれこれ(カ行) 落語の森 紫紺亭圓夢
蒲鉾による騒動は「鮫講釈」、昔の講釈が大好きだった立川談志師が気持ちよさそうに演っていた! 師ご存命の頃の立川流では、二つ目昇進基準が「古典50席・歌舞音曲・講談」。この噺、鮫に魅入られた船中の講談師がこの世の名残とばかりに張扇をパンパンとたたいて次から次へと読んでいくシーンが見もの。 「鮫講釈」...
食べ物あれこれ(ア行) 落語の森 紫紺亭圓夢
アイスクリームが出てくる珍しい噺といえば先代(八代目)桂文楽師の「かんしゃく」、ただただかんしゃくを起こす旦那の噺で師と柳家小三治師でしか聴いたことがない。 酒はさまざまな噺に登場するがポピュラーなところでは「替り目」。酔っ払いの亭主に困惑する女房の噺で寄席のスタンダード、演り手も多い。本来のサゲ...