食文化への適合も背景に 新作物ライコムギの受け入れ 連載「アフリカにおける...
筆者はエチオピア南部ガモ高地の中腹部に位置するドルゼ村で、近年栽培の広がっているライコムギを対象に、その栽培と利用の実態を明らかにしようと調査を行ってきた。(写真上:収穫期を迎えたライコムギ=2018年1月、下山花撮影) ライコムギとは人工的に作出された作物で、ライムギに由来する環境ストレスや病気...
高収量品種の導入で成果 エチオピア、種保存では課題 連載「アフリカにおける農...
連載の第3回では南アフリカを事例に、化成肥料や改良品種、灌漑(かんがい)などの「農業投入財」の普及が単収増加をもたらしたことを紹介した。ほかのアフリカの国では高投入の農業をめぐり、どのような動きがあるのだろうか。 今回はエチオピアを事例として、改良品種や新しく導入した作物の普及と栽培、利用に関する...
受け入れられる契約農業 リスク回避策として選択 連載「アフリカにおける農の...
前回(第8回)は契約農業の歴史や構造、特徴について概観した。今回は現地の状況をまとめ、アフリカの契約農業の実態に迫りたい。(写真:サヤインゲンの出荷風景。コンテナに入れナイロビに輸送する。2019年7月、久保田ちひろ撮影) 筆者は主に東アフリカにあるケニアのナクル県を調査している。同県はナクル湖の...
小規模農家に利益もたらす? 広がる契約農業 連載「アフリカにおける農の現在(...
前回(第7回)は、アフリカで近年見られる傾向として、高付加価値の野菜輸出が増加していることに注目した。アフリカから輸出される農作物は、大規模農場で生産されるものもあるが、小規模農家によって生産されたものが増加しているといわれる。アフリカの農家の大半は小規模であり、小規模農家は相対的に貧困で、現金収...
高付加価値野菜の輸出が拡大 豆類や半加工食品、欧州・アジアへ 連載「アフリカ...
連載の第2回で、アフリカの農作物輸出について概観し、コーヒーやカカオなどの従来の輸出産品と比較して、野菜や果物がより急速に増加していることに触れた。アフリカの輸出全体の規模が小さいため、世界全体で見るとアフリカの野菜輸出の割合は限定的であるものの、徐々にそのシェアを拡大している。 今回からアフリカ...
広がったキャッシュ・フォー・ワーク 被支援者の主体性強化 連載「アフリカに...
連載の前回(第5回)はアフリカの国々の購買力の向上によって、食料援助の流入が減少していることを明らかにした。しかし食料援助の減少にはもう一つの要因がある。それは国際的な動向に沿った支援スタイルの変化である。 食料援助は、第二次世界大戦後の世界規模での食料不足の解決と、米国の余剰穀物の解消のために始...