食料・農業・農村政策の新たな展開方向を決定 週間ニュースダイジェスト(5月28日~6月3日)
2023.06.05
▼適正価格への取引推進(5月29日)
農林水産省が決定した農政の基本方針となる「食料・農業・農村基本法」の見直しに向けた中間取りまとめは、農業・食品産業はコスト上昇分を販売価格に反映することが難しいと指摘し、農産物などの適正な価格形成に向けた取引が推進される仕組みづくりを検討するとした。2024年の改正法案の国会提出を目指す
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▼スギ人工林の伐採拡大(5月30日)
政府の花粉症に関する関係閣僚会議は、花粉の健康被害を抑える対策を公表し、花粉発生源のスギ人工林の伐採規模を現在の年間約5万㌶から約7万㌶に拡大し、10年後に面積を2割程度減らすとし10年後には苗木の生産の9割以上を花粉飛散の少ない品種にし、植え替えも進める
▼豪雨減災へ治山対策(5月30日)
政府が閣議決定した2022年度版の森林・林業白書は、森林を回復、整備する治山対策により、土砂流出などに伴う豪雨災害の発生箇所の大幅減につながった例があると指摘し、今後もダム整備を含めた治山対策を進める意義を強調した。二酸化炭素(CO²)を吸収する森林の確保が、脱炭素社会の実現に役立つとも訴えた
▼漁獲量が過去最低(5月30日)
農林水産省が発表した2022年の漁業・養殖業生産統計によると、養殖を含む漁獲量は前年比7.5%減の385万8600㌧と2年連続で減り、1956年以降で最低を更新した。海洋環境の変化を背景に多くの魚種で不漁が広がり、魚種別ではサンマ、スルメイカ、タコ類が過去最低となった
▼6月値上げ3575品目(5月31日)
帝国データバンクは6月に3575品目の食品が値上げする予定であるとの調査結果を発表した。5月の830品目から急増する。6月の値上げの中心は1674品目の調味料や、500品目を超えるカップ麺。電気料金や人件費の上昇を背景に、食品値上げは少なくとも今秋まで続く見通しとした
▼「新たな展開方向」を決定(6月2日)
政府は「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」を開き、「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」を決定した。岸田文雄首相は政策を具体化して年度内をめどに工程表を策定するよう指示、食料・農業・農村基本法の改正案を2024年通常国会に提出することを目指し作業を加速するよう求めた
▼自給率上げ訴え(6月2日)
政府が閣議決定した2022年度版の水産白書は、ウクライナ危機やコロナ禍で国内生産増加の取り組みの重要性が増したと指摘した。22年の水産物の輸入額は2兆711億円と前年より28.6%増加して過去最高となっており、自給率を上げて食料安全保障を強化する必要があると訴えた
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