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未来に残す山里の暮らし  映画「若者は山里をめざす」1月公開

2022.11.02

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未来に残す山里の暮らし  映画「若者は山里をめざす」1月公開の写真

 埼玉県唯一の「村」である東秩父村に住むことを決意した若者たちを追ったドキュメンタリー映画「若者は山里をめざす」(原村政樹監督、予告編)が完成した。2023年1月14日から東京・新宿のK's cinemaで公開、その後全国で順次上映する。

 東秩父村は都心から約60㌔しか離れていないが、面積の8割が山林で過疎化が進み、同県内の消滅可能性都市ランキングで1位に選ばれたこともある。しかし、豊かな自然や養蚕業などの文化、人情味あふれる村人たちが、感性豊かな若者を引き付け始めている。

 故郷を消滅させたくないと会社を辞めて東秩父に戻ってきた女性、地域起こし協力隊員の任期後も定住し、野草「ノゴンボウ」の特産品化を目指す東京出身の元銀行員、和紙職人を目指す隣の町の青年と京都府から移住した女性、伝統文化を継承するため合宿生活を送る鬼太鼓座の若者たち、そして彼らを暖かく迎え入れる山里のお年寄りたちが、次々と登場する。

 「無音の叫び声」、「武蔵野」、「食の安全を守る人々」、「タネは誰のもの」など農業を扱う作品を40年近く撮り続けてきた原村監督は、「2019年から3年間撮影を続け、地元の人々の深い精神性に触れた。山里に暮らす若者が増えてほしいと願ってタイトルを決めた」と話す。農村政策や地域再生を専門とする小田切徳美明治大学教授らも協力し、制作費などはクラウドファンディングで調達した。

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