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円安で「輸出2兆円」達成前倒し  週間ニュースダイジェスト(10月2日~8日)

2022.10.10

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 臨時国会が召集され、岸田文雄首相は所信表明演説で、物価高や円安への対応を重視し、柱に食料安全保障の強化を位置付けた(10月3日)。10月内に策定する総合経済対策に、麦・大豆や飼料作物、肥料の国内自給に向けた政策を盛り込む。
 政府は円安のメリットを国民に還元する対応を強調している。農林水産物・食品の輸出拡大に向けた関係閣僚会議(10月5日)では、輸出先の現地価格が割安になり価格競争力が増すことや、円ベースでの売上高が増える効果が挙げられ、「2025年に2兆円」としている輸出額の目標達成の前倒しを目指すとした。
 丸紅は米穀物会社大手ガビロンの売却完了を発表した(10月4日)。

 ▼臨時国会スタート(10月3日)
 臨時国会が召集され、岸田文雄首相は所信表明演説で「農産物の国内生産を通じた食料安全保障の確保など、エネルギー・食料品が危機に強い経済構造への転換に取り組む」との方針を示した。10月中に策定する政府の総合経済対策と、本年度第2次補正予算案が当面の焦点。会期は12月10日まで

 ▼培養肉の主成分開発(10月4日)
 日本ハムは培養肉の主成分となる食品由来の培養液を、独自開発したと発表した。動物の血清から作る従来の培養液より安定的に調達でき、製造コストも低減するため商用化に前進したという。食品成分の詳細は非公開だが、一般的に流通している食品だと説明した
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 ▼浪江町でサバ陸上養殖(10月4日)
 プラント大手の日揮と福島県浪江町などは、環境を制御する閉鎖型施設としては東日本最大規模のサバの陸上養殖を、同町で2024年に始める協定を結んだ。27年までに年間60㌧を生産する。投資10億円強の半分程度は、原発事故被災地で事業所立地を促す国の補助金で賄う

 ▼ガビロン売却完了(10月4日)
 丸紅は傘下の米穀物会社大手ガビロンの売却完了を発表した。一部事業を丸紅側に移管した上で、オランダの同業企業に全株式を売却した。売却益見込みは550億円程度。丸紅は2013年に約27億㌦(約3000億円)で買収したが、輸出停滞などから損失計上を繰り返し、20年3月期に過去最大の赤字に陥った

 ▼「輸出2兆円」前倒し(10月5日)
 政府は農林水産物・食品の輸出拡大に向けた関係閣僚会議を開き、円安などから輸出が堅調に推移していることから、「2025年に輸出額2兆円」としている目標を前倒しで達成する方針が示された。10月末にまとめる総合経済対策に、関連施策が盛り込まれる見通し

 ▼統計データで賠償(10月7日)
 東京電力は福島第1原発の処理水の海洋放出に伴う風評被害での賠償で、水産物や農産品は対象地域と全国の価格動向を官公庁などの統計データで比べて損害額を算定すると、賠償枠組みに関する中間報告で明らかにした。年内に賠償基準を公表する

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