おいしく噛んで健康に 安武郁子 食育実践ジャーナリスト 連載「口福の源」
2024.12.02
「最近、口の乾きが気になる...」「口臭が不安」という方はいませんか?
実は、唾液は口内の乾燥を防いだり口臭を防ぐパワーがあります。唾液がしっかりと分泌されていると、口内の細菌の繁殖を抑えてくれるため、口臭予防にもつながります。(画像:一口の量はこのくらいで)
しかし唾液は年齢とともに減っていくので、意識してよく噛(か)んで増やすことが大切です。
さらに、現代人の多くが噛む回数が少ないのが現状。この機会に普段の食事で「噛む」習慣を増やしてみましょう。
実は「噛む」ことには、口臭予防以外にも多くの健康メリットがあります。例えば、味覚の感度の向上、ダイエット効果、脳の活性化、胃腸の働きをサポート、ストレス解消、さらにはアンチエイジング効果まで! これを知れば、噛むことの価値を再確認できるはずです。
では、どうやって「噛む回数」を増やしたらいいか?
急に、「一口30回噛みましょう!」と言われても、なかなか難しいものですよね。
そこで、まずは、一口の量を意識して食べてみることから始めましょう。日頃、一口どれくらいの量を口に運んでいるでしょうか? 私は、「自分の親指の第一関節くらいを目安に」と伝えています。一口の量が減るだけで、噛む回数とともに、唾液を分泌する機会が増えます。少量ずつ口に入れ、しっかり噛んで唾液を分泌させる習慣を身につけていきましょう。
それから、メニューの選び方です。ご飯なら白米より雑穀ご飯、パンなら食パンよりもフランスパンを選んでみましょう。これだけでも自然と噛む回数が増えます。
そして、食材の工夫です。野菜を大きめに切って食感を楽しむのもおすすめです。噛み応えのある具材を多めに入れると、食べるときに自然と噛むようになります。
また、食事中に飲み物を手元に置かないのも効果的です。飲み物があるとつい流し食べになり、噛む機会を減らします。さらに空腹を感じたときや、食事中に水分を取りすぎるのは口臭予防に逆効果です。内臓が冷えて消化力が落ちるだけでなく、胃酸が薄まって消化が悪くなり、口臭の原因になることもあります。
噛むことを意識して、一口の量を変えていくだけで、唾液がしっかり分泌され、口臭予防にもつながります。ぜひ今日の食事から良食を心がけ一口を意識して食べてみてください。
(Kyodo Weekly・政経週報 2024年11月18日号掲載)
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