食料安保確保へ農政再構築 改正農業基本法成立 週間ニュースダイジェスト(5月26日~6月1日)
2024.06.04
▼産業用地確保の自治体9% 需要増も対応遅れ、国支援(5月27日)
半導体工場や物流施設など産業用地のニーズが高まる中、46道府県・全20政令市のうち、そうした用地を確保できているのは9%にとどまることが経済産業省の調査で分かった。地権者との交渉や造成工事のノウハウ不足が背景にある。経産省は6月下旬にも自治体から公募を始めて、適地調査や基本計画の策定支援に乗り出す。
▼食料安保確保へ農政再構築 改正農業基本法成立(5月29日)
農業政策の方向性を示す改正食料・農業・農村基本法が参院本会議で可決、成立した。食料安全保障の確保を新たに基本理念に位置付け、農政を再構築する。関連法の整備と合わせ、凶作や輸入の途絶などで食料が不足する危機時に備えた対応を規定。農産物への価格転嫁を促すなど、平時から生産基盤を強化する。
▼非常時、政府が自治体指示 法改正案が衆院通過(5月30日)
大規模な災害や感染症の流行など、想定外の事態に国が自治体に対応を指示できるようにする地方自治法改正案が衆院本会議で可決、通過した。非常時に国主導による迅速な対応を可能にする狙い。指示が適切かどうか検証するため国会への事後報告を義務付ける修正を加えた。自治体との事前協議の仕組みは盛り込まなかった。
▼コメ11道県で作付増加 24年面積調査、需要堅調(5月30日)
農林水産省は2024年産主食米の作付面積について、4月末時点の都道府県別の意向調査結果を公表した。11道県が前年と比べ増加傾向と回答し、前回1月末時点の調査から6県増えた。宮城や福島などが前年並みから増加に転じた。農水省の担当者は「足元のコメの需要が堅調で、生産を増やす判断をした」と指摘した。
▼食料安保「歴史的転換点」 農業白書、生産者急減で(5月31日)
政府は2023年度版の農業白書(食料・農業・農村の動向)を閣議決定した。気候変動や国内の生産者の急減を受け、食料安全保障の確保は「歴史的転換点に立っている」と強調。成立した改正食料・農業・農村基本法に基づき、国民一人一人に安定して食料を届けるため、国内の生産拡大などによる供給基盤の強化が重要だとアピールした。
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