くら寿司、上海に中国本土1号店 NNA
2023.06.23
回転ずしチェーン大手のくら寿司は15日、上海市長寧区で中国本土1号店を開業した(写真)。客単価は日本の約2倍を想定。日本食ブームを追い風に中国本土市場の開拓を進め、9月までに市内の店舗数を3店体制とする計画だ。
店舗名は「くら寿司 上海龍之夢中山公園店」。中山公園近くの商業施設「龍之夢購物中心」の7階に出店した。店舗面積は700平方メートルを超え、席数は220席。すしメニューは約80品目で、中国で人気のサーモンや貝類の商品を充実させたほか、上海店の限定メニューとして「サーモンたたき」も用意した。ラーメンやデザートなどサイドメニューも提供する。1皿12元(約236円)からで、想定客単価は100~130元。
食材の8割は中国国内で調達しており、コメは中国東北産の有機コシヒカリを使用している。残り2割は日本からの輸入。
ゲームと連動した皿カウンター回収システム「ビッくらポン!」や、入店から注文、会計までを非接触でできるスマートシステムも導入した。
開業初日に来店した地元の男性は「ネタの味がしっかりしていておいしい。1番好きなネタであるサーモンのメニューが豊富なのもうれしい」と笑顔を見せた。
10年で100店目標
くら寿司は、中国本土の店舗数を今後10年で100店まで広げる目標。目標の達成に向けて、まずは上海市での出店を進める。
9月までに2号店を徐匯区のショッピングモール「美羅城(メトロシティー)」に、3号店を浦東新区の大型ショッピングセンター「三井ショッピングパーク ららぽーと上海金橋」にそれぞれ出店する予定だ。
くら寿司の上海法人、上海蔵寿餐飲管理(上海くら寿司)の近藤和人総経理は、「上海は日本食レストランが多い都市で、回転ずしが受け入れられやすい土壌がある」と指摘。「まず上海で現地の人に愛される店をつくり、今後の店舗展開の土台にしたい」と抱負を述べた。
くら寿司は現在、日本で541店、海外で98店を展開。中国本土以外では米国などに進出している。同社は30年までに海外店舗数を現在から約4倍の400店とすることを目指す。海外売上高は1500億円とする目標で、22年10月期から4.5倍となる計算だ。(NNA)
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