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フード台北開幕、ジャパンパビリオンに57業者  NNA

2023.06.22

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フード台北開幕、ジャパンパビリオンに57業者  NNAの写真

 台湾最大級の食品見本市「台北国際食品展(フード台北)」が14日、台北市の南港展覧館で開幕した。同時開催の計五つの展示会に31カ国・地域から参加した約1500の事業者が約4100ブースを出展。日本貿易振興機構(ジェトロ)がフード台北の会場に設けたジャパンパビリオンには日本の22都道府県から57社・団体が参加し、台湾のバイヤーらに食品や飲料などの商品を積極的に売り込んだ。

 ジェトロによると、新型コロナウイルス禍では台湾への渡航に厳しい制限が設けられていたことから、台湾に現地法人や代理店などのパートナーを持つ企業に限って出品者を募集したため、大半は台湾に渡航せず、現地のパートナーが出品者に代わって出展の対応に当たっていた。今回は渡航に関する規制が緩和され、多くの出展者にとって久しぶりに台湾に渡航してバイヤーと商談できる機会とあって、81社・団体から申し込みがあり、前回のフード台北と比べて2倍近い企業・団体が出展した。

 ジャパンパビリオンの会場では、参加した企業や団体が各種加工食品や肉、海産物、酒類など多彩な商品をブースに並べ、担当者が商品の特徴を説明していた。鹿児島県食肉輸出促進協議会は鹿児島和牛をPR。ブースに設置した冷蔵庫にサーロインやリブロースなどを並べ、来場者に試食を振る舞うなどした(写真上)。

 同協議会によると、昨年10月に同県で開かれた「第12回全国和牛能力共進会」で、同県は全9部門のうち6部門で1位を獲得した。鹿児島県内の工場から出荷された和牛の台湾向け輸出量は近年増加傾向にあり、2021年度は約253トンに上り、日本全体の台湾向け輸出量の約27%を占めた。

 ただ、台湾では日本の他の県で生産された和牛の知名度が高いといい、同協議会の坂元秀明さんは「鹿児島和牛を台湾の人たちに知ってほしい。台湾は伸びしろがある市場なので、今後も輸出を拡大できるとうれしい」と意気込んだ。

 鹿児島和牛を試食した台南市の飲食店関係者は「鹿児島和牛を食べたのは初めて。日本の他の和牛と比べておいしかった」と話していた。

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(日本酒をアピールした田中酒造店のブース=14日、NNA撮影)

 日本酒を製造販売する田中酒造店(宮城県加美町)は、海外向けに展開している純米大吟醸と純米酒計8商品をアピールした。同社は19年から輸出事業を本格的に展開し始め、現在はオーストラリアや米国、カナダなど20カ国・地域向けに輸出している。台湾向けはまだ少量だといい、永井邦彦取締役社長は「台湾での日本酒の販売は競争が激しいが、多くの方に受け入れられるような販路を築きたい」と述べた。唐辛子を使った商品を製造販売する丸や(京都市右京区)はラー油ふりかけなどをアピールした。同社は京都市内に5店舗を構えて商品を販売し、台湾人観光客も多く来店しているという。台湾では17年から台北の百貨店などで催事販売をしてきたが、販売の強化を目的に出展した。小田貴之次長は「商品を丁寧に扱い、育ててくれるパートナーを見つけたい」と話した。

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(丸やはラー油ふりかけなどをアピールした=14日、NNA撮影)

 ビジネスチャンス増加に期待感

 フード台北は、台湾政府系貿易振興機関の中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)が主催し、17日まで開かれる。14日は開幕式を前にTAITRAの黄志芳董事長がメディアの取材に応じ、フード台北は「アジアで最も重要な食品見本市の一つだ」とアピールした。出展業者とブースの数は前年よりいずれも30%以上増えたと説明。前年は新型コロナウイルス感染症の水際対策で入境が制限されていたが、今年は海外からのバイヤーが多数来場しており「今年はビジネスチャンスが昨年より増えるとみている」と話した。(NNA)

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