「地域創生」五感で学ぶ 東京農大「食と農」の博物館が企画展
2023.04.21

東京農業大学(江口文陽学長)の「食と農」の博物館(東京都世田谷区)は21日、企画展「五感で学ぶ! ちいきのひみつ」をスタートした。8月31日まで、入場無料。
「五感で学ぶ! ちいきのひみつ」は、生物多様性が高く持続可能な地域社会を築くための、地域の見方や調べ方、創り方について、地域環境科学部地域創成科学科の調査研究・技術を通し紹介する。タイトルの「ひみつ」には、「ひ」=ひとと地域を、「み」=みつめ、「つ」=つくり上げるーとの思いを込めたという。
展示前半の「地域の調べ方」ブースでは、地域を観察するための切り口として、①地形②植生③生き物④土と水⑤気象⑥景観⑦社会基盤(道路)⑧防災⑨社会調査ーの9点を挙げ、調査方法をパネルで示し、調査機器なども展示した。
後半の「地域の創り方」ブースでは、里山、山岳、島、都市・農村地域、地域とつながる人と人(教育・福祉)といったフィールドを挙げ、保全・再生・管理を通して地域を創っていくための道筋を示している。
「地域の創り方」ブースの足下には、太平洋プレコン工業(東京)が作る高機能舗装材インターロッキングブロック(農福連携ブロック)も敷き、車椅子も通りやすくした。
会場はすべての人が情報を受け取りやすくするため、出入り口やスロープ、一部の誘導個所に点字ブロックを置いたり、ロープを活用したりして、ロープや点字ブロックに沿って進めば展示が楽しめるよう工夫した。
7~8月には東農大教授らが講師となるイベントも行う予定で、詳細は博物館のホームページに掲載する。
この日午前には同展のオープニングセレモニーを実施。同館の木村李花子館長は「博物館は地域にばらばらにあるものを編集し、再構築することができ、地域と博物館は相性がいい。地域は知ることは幸福に直結する」とあいさつした。
東京農業大学の地域環境科学部地域創成科学科は2017年開設。この企画展の実行委員長は、同科地域デザイン学研究室の町田怜子教授が務めている。
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