消費者への働き掛け強める 「国消国産」で中家JA全中会長 共同通信きさらぎ会で講演
2022.10.04
全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長は4日、東京都内で開いた共同通信社の講演会「きさらぎ会」の東京10月例会で、「日本の食と農を支え、未来につなぐ『国消国産』~食料安全保障の強化に向けて~」とのテーマで講演した。
中家氏は国民が必要とし消費する食料はできるだけその国で生産する「国消国産」について、「JAグループは10月を『国消国産月間』とし、16日の国消国産の日を中心にイベントやシンポジウムを重ね、消費者を中心とした国民に働き掛ける。理解を深めてもらいたい」と述べた。
中家氏は国内の農業の現状について「肥料や燃料など生産資材の価格が過去最高水準まで高騰しているが、工業製品と違い農畜産物は生産コストを価格に転嫁しにくい」と説明し、「イベントなどを通じ消費者に国消国産の意義を知ってもらえれば、食料自給率の上昇や持続可能な開発目標(SDGs)の達成、農畜産物の適切な価格形成につながっていく」と述べた。
JAグループの今後の取り組みに関しては「労働力・農地の確保で生産基盤を強化し、現在4割弱にとどまっている食料自給率を上げる。消費者や官学との連携も強めて食料の安定供給を進めることで、食料安全保障を実現する」と説明した。
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