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施設の漏水で農業用水停止  週間ニュースダイジェスト(5月15日~21日)

2022.05.23

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 愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」で大規模な漏水事故が発生し、県内の農地5400㌶に給水できなくなった(5月17日)。管轄する東海農政局は施設のある矢作川にポンプを設置し工業用水を優先して確保しているが、農業用の給水は停止した。
 金子原二郎農相によると、施設から取水している水田は4730㌶。このうち6割で田植えが始まっておらず、断水が長引くと影響が懸念される。園芸作物ではイチジクやハウス栽培の花きに影響する可能性があるという。
 東海農政局はポンプを増設、県は別の河川からの取り込みを認める方針で、月内の農業用水確保を目指している。
 金子農相は記者会見で、国が造成した河川からの取水施設全国390カ所を緊急点検すると明らかにした(5月20日)。
 農林水産省はアニマルウェルフェアの指針案を公表した(5月19日)。


 ▼ボトル飲料値上げ(5月16日)
 サントリー食品インターナショナルはミネラルウオーターなどペットボトルや、ボトル缶入りなど飲料165品の希望小売価格を、10月出荷分から6~20%引き上げると発表した。上げ幅は20円が中心。値上げは約3年ぶり。他社も追随するとみられる

 ▼モロッコから調達へ(5月16日)
 武部新・農林水産副大臣はモロッコのベンアリ・エネルギー革命・持続可能開発相と首都ラバトで会談し、肥料原料のリン酸アンモニウムの調達で関係強化を要請し、ベンアリ氏は「協力したい」と応じた。リン酸アンモニウム輸入の大半を頼る中国が輸出手続きを厳格化し、調達懸念が出ている

 ▼マックがロシア撤退(5月16日)
 米マクドナルドはロシアのウクライナ侵攻を受け、1990年にモスクワの1号店を開業した同国市場からの撤退を発表した。撤退で最大14億㌦(約1800億円)の損失を見込む。19日には事業を、地元のフランチャイズ契約先のオーナーに売却すると発表した。売却額は明らかにしていない
 関連記事:舌やイデオロギーに普遍性はない 岡田充・共同通信客員論説委員

 ▼取水施設で漏水(5月17日)
 愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」で、大規模な漏水の発生し、県内の農地5400㌶に給水できなくなり、田植えのほか花き、果樹栽培に影響が出た。施設を管轄する東海農政局はポンプを設置して漏水に緊急対応したが、工業用水向けを優先した

 ▼家畜飼育で指針案(5月19日)
 農林水産省は家畜にとってストレスの少ない飼育環境を整える「アニマルウェルフェア」の指針案を公表し、卵を生産する養鶏場では「止まり木」の設置が「将来的に実施が推奨される」などとした。意見公募を経て、畜産局長通知としてまとめる

 ▼輸出拡大へ知財保護(5月20日)
 政府は農林水産物・食品の輸出拡大に向けた関係閣僚会議で「輸出拡大実行戦略」の改定を決め、国内で開発したブランド果実などの海外流出防止へ、農家に代わり専門家が知的財産権を保護する機関の創設方針を盛り込んだ。金子原二郎農相は記者会見で「海外持ち出しの制限を実効的にする」と述べた


 

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