個人向けが引き続き好調 宅配水市場、21年度は4.8%増 矢野経済研究所
2022.04.26
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2022年版 ウォーターサーバー市場の現状と将来展望 ~伸長する宅配水・給水型ウォーターサーバー・POU市場~」によると、21年度の宅配水市場規模はコロナ禍で個人向けが引き続き好調だったため、前年度比4.8%増の1616億円と増勢を維持した。
調査対象はウオーターサーバー(交換式タンクから水を供給する機器)とセットで供給される水で、家庭や事業所に宅配されるもの。ペットボトルの宅配は除く。市場規模はエンドユーザー販売金額ベースで算出した。
(矢野経済研究所作成)
個人向けは21年秋ごろまでの伸びが大きかった。一方で法人向けは20年度同様に低調だった。
個人向けの新規顧客獲得策のうち、コロナ対応のまん延防止等重点措置などの期間は商業施設でのビラ配りや試飲の自粛を求められたこともあり、デモ販売がしにくかった。そうした中で、業界の上位企業の一部では営業態勢の強化や管理システムの改善の効果から、新規獲得が着実に進んだ。
宅配水業界では、水道直結型ウオーターサーバー(POU)や、給水(浄水器一体)型のウオーターサーバー事業に関心を示す企業が増えており、そうしたサービスを始めたり、検討したりする企業も増えてきている。
宅配水市場では新規顧客の獲得ペースの鈍化や配送料金など各種コストの上昇、競合商材であるPOUや給水型のウオーターサーバー市場の急激な成長から、市場を取り巻く環境は厳しさを増してきており、成長率は鈍化傾向にある。
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