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宅配水市場1500億円超えへ 20年度、在宅勤務で個人向け好調 矢野経済研究所
2021.02.16

(写真はイメージ)
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2021年版 宅配水市場の現状と将来展望~コロナ禍で成長力増す宅配水・POU市場~」によると、20年度の宅配水市場は在宅勤務が増えて個人向けが好調なことなどから拡大し、前年度比6.9%増の1563億円と初めて1500億円を超える見通しだ。
調査対象はウオーターサーバー(交換式タンクから水を供給する機器)とセットで供給される水で、家庭や事業所に宅配されるもの。ペットボトルの宅配は除く。
(グラフ:宅配水の市場規模。ユーザー販売金額ベース、20年度は見込み=矢野経済研究所作成)
20年度は個人向けの使用量は増えている半面、在宅勤務の進展で法人向けの新規開拓が難しくなり、使用量も減少している。19年度は5.6%増の1462億円。新規顧客獲得、販売本数とも着実に伸びた。
コロナ禍を受けた新規顧客獲得の営業では、ウェブ経由の開拓が好調で、テレマーケティングもアクセスが増えて効率が上がっている。一部の上位企業では引き続き、店頭などでのデモ販売が好調に推移しているという。
営業戦略では、子供をきっかけにサービス利用し始める顧客が多いことから、多くの企業が「ママ」や「妊婦」をキーワードにした購入プランを用意し、新規申し込みの引き金になっている。
シニア層の獲得では、下置き型サーバーや小容量の容器の採用、契約期間や水の使用本数の縛りを設けないサービスを提供するといった取り組みがみられる。20年度は「外出したくない」、「買い物の回数を減らしたい」と考える人が多く、重い水を運ばずに済む宅配水を契約する動きがある。
今後の宅配水市場は、シニア層の開拓のほか、配送効率を上げるために特定の地域への営業に注力するといった営業戦略の効果から、引き続き拡大する見通し。
顧客数が減少する企業が出るなど競争は激化し、配送費など経費上昇要因への対応、ラストワンマイルの配送(物流最終拠点から利用者までの運輸)の態勢の安定化などが、事業継続の鍵になる。
さらに、類似サービスである「水道直結型ウオーターサーバー」(POU:Point of Use)市場と、水道水を補充する「給水型ウォーターサーバー市場」が伸長しており、競合する可能性がある。
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