キュウリが活躍する季節 藤野嘉子 料理研究家 連載「口福の源」
2024.07.15
じめじめした蒸し暑い日が続いています。夏日はもう5月に経験済み。例年、この時期は晴れ間が時折のぞくとうれしい半面、梅雨が明ければ長い夏日と熱帯夜がいつまでも続くのだろうか、と思ってしまいます。
特に暑さに慣れていない夏の初めは疲れやすく、知らず知らずに熱中症になるケースもあります。
自然というのは本当に素晴らしく、夏の野菜たちは、紫外線から身を守るために作りだしたファイトケミカルが豊富なのです。抗酸化作用で免疫力アップ。利尿作用のある野菜も多いのです。分かりやすく言うと、栄養たっぷりの夏野菜をたくさん食べて、夏バテせずに厳しい暑さを乗り越えましょう。
トップバッターは、キュウリ。えーっ。キュウリかぁ。と思われた方もいらっしゃると思います。ですが、キュウリの95%は水分です。カロリーも栄養もない!!と思われていますが、実は食物繊維が多く、カリウムも豊富なので利尿作用もあります。たくさん水分を取る季節。地味ですが大切なことなのです。
また、体を冷やす効果もあるので、暑い夏には手軽にポリポリと食べ、火照った体を整えてくれます。
今回は、簡単に作れて後を引く「たたきキュウリのしょうゆ漬け」をご紹介します。
作りすぎて味に飽きたら、すりごまをたっぷりと入れたり、じゃこ、おかかをプラスしてもおいしいです。
しょうゆ漬けが冷蔵庫に入っていたら、朝のサラダに、昼の弁当のおかずに、ビールのつまみに、と大活躍です。わが家は少し茶色になったキュウリととろろ昆布を混ぜ、冷ややっこに、のせていただくのも大好きです。
調理時間5分の〝優れおかず〟です。
<材料>
・キュウリ 4~5本
・つけ汁 砂糖大さじ2/3 しょうゆ大さじ2 酢大さじ1 ごま油大さじ1 赤唐辛子またはラー油
<作り方>
①キュウリは両端を落として、塩小さじ1を振り、まな板でコロコロと転がします(これは板ずりといいます)。キュウリの皮に塩で傷がつくと味も入りやすく、青臭さがなくなりおいしくなります。さっと洗います(キュウリの肌がすべすべになっているのがよく分かります)。
②ポリ袋に入れ、麺棒やすりこ木などでたたいて割ります。あまり強くたたくと粉々になるので、所々手で割ったりしてください。
③袋が破れていないかを確認して、つけ汁の調味料を入れてください。そして口を留めてよくもみます。味をなじませるために冷蔵庫へ入れて1時間以上漬けます。3~4日を目安に食べてください。
(Kyodo Weekly・政経週報 2024年7月1日号掲載)
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