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日本の酒類、輸入量が大幅増 韓国 ビールやウイスキーの人気衰えず  NNA

2024.10.16

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 韓国の海外からの酒類輸入量がマイナスに落ち込む中、日本からの2024年18月の輸入量は前年同期に比べ全体的に大幅なプラス成長を記録した。とりわけ、ビールとウイスキーはそれぞれ5割近い増加率を記録した。若者を中心に起きたハイボールブームが続いていることに加え、19年の日本製品の不買運動で打撃が大きかったビールも韓国の消費者に再び受け入れられている。(写真はイメージ)

 韓国関税庁によると、今年18月の日本からのビールの輸入量は5万3705トンと、前年同期に比べて46.9%増加した。また、ウイスキーの輸入量は45.9%増の945トンを記録した。同期間に全体の輸入量がビール(10.5%減)とウイスキー(22.3%減)のいずれも前年同期を大きく下回ったのとは対照的だった。

 金額ベースでも増加した。ビールは同期間に3020万3000米ドル(約44億8700万円)から4302万8000米ドルに42.5%も急増した。ウイスキーは今年18月に680万4000米ドルを輸入し、10.8%増と2桁増を達成した。

■不買運動前の水準に近づく


 日本からのビール輸入は上半期に大きく伸びた。いずれの月も前年同月に比べ10%以上増加したが、特に2月と5月は3倍以上に急増した。

 日本のビールは、19年に日本政府による対韓国輸出管理厳格化の措置に韓国国民が反発して起こった「日本製品の不買運動」で最もダメージを受けたものの、着実にこれを克服しつつある。今年18月のビールの対日輸入量は、不買運動が起きる前の18年同期(5万8497トン)の91.8%水準まで回復した。

 不買運動の影響で落ち込んだ国・地域別の輸入量ランキングでも、日本はすでに1位を奪還。今年18月は、2位のオランダ(2万166トン)との差を倍以上に広げている。

■右肩上がりの日本ウイスキー


 輸入シェアで1位のビールとは異なり、日本のウイスキーが輸入量全体に占める割合は決して大きくない。国・地域別のランキングでは3位だが、1位の英国や2位の米国とは大きく差を付けられており、23年通年のシェアはわずか2.9%だった。

 それでも、日本のウイスキーの輸入量は堅実に増えている。10年前の15年時点では37トンに過ぎなかったが、18年(158トン)に100トンを超えた後も右肩上がりで増加。新型コロナウイルス禍での家飲み文化の定着とハイボールブームで22年(533トン)には500トンを突破した。

 ハイボールブームは一巡したとの見方もあるが、今年のウイスキーの輸入量は8月までにすでに23年通年(897トン)を上回っている。韓国で日本式の居酒屋が増えたことで、業者向けに納品されるウイスキー需要が伸びていることが背景にあるとみられる。

 ソウル市麻浦区の繁華街・弘大にはこのほど、エターナルホスピタリティグループ(旧鳥貴族ホールディングス、大阪市)の居酒屋「鳥貴族」が1号店をオープンし、連日、長蛇の列ができている。良好な日韓関係が続く中、ビールやウイスキーなど日本の酒類の輸入は今後も増える見通しだ。(NNA

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