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タイ産のエビ、児童・強制労働リストから除外  NNA

2024.09.20

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タイ産のエビ、児童・強制労働リストから除外  NNAの写真

 米労働省が発表した「2024年の児童・強制労働で生産された物品リスト」および「最悪の形態の児童労働(TDAリポート)」で、人身取引被害者保護法(TVPRA)に基づく児童・強制労働の物品リストからタイ産のエビが除外された。魚粉などは新たに指定された。(画像はイメージ)

 労働省はタイ産のエビについて、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)が2015年、タイに対して「違法・無報告・無規制(IUU)漁業」の警告(イエローカード)を発して以降、タイ政府が規制に動いて大きな改善が見られるほか、非政府組織(NGO)など民間の監視も強くなり、エビ漁業における児童労働・強制児童労働は目に見えて減っていると評価した。

 一方でタイの水産業では依然として成人の強制労働などの問題が確認されるため、継続した改善が必要だとした。

 リストには新たにタイ産の魚を使った魚粉、魚油、飼料が追加された。ミャンマーやカンボジア、ラオスからの労働者を1日20時間にわたり、十分な食事や水、医薬品を与えることなく働かせて捕獲した魚を使っていることを問題視した。こうした飼料は主に国内のエビ漁場や鶏農場で使用されているが、22年には24億米ドル(約3427億円)規模を米国、マレーシア、日本、イタリアなどに輸出したと報告した。

 12日付クルンテープ・トゥラキットによると、タイ農業・協同組合省漁業局のバンチャー局長は、エビのリスト除外を歓迎し、魚粉などのリスト除外へ引き続き努力すると述べた。またリストは掲載国・地域に制裁を科すものではなく、貿易への影響はないと強調した。(NNA

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