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日系ラーメンがインド1号店 自社ブランド50店舗へ、サンパーク  NNA

2024.08.29

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日系ラーメンがインド1号店 自社ブランド50店舗へ、サンパーク  NNAの写真

 外食チェーンを複数手がけるサンパーク(大阪府吹田市)が、インドの南部カルナタカ州ベンガルール(バンガロール)に、ラーメン店「カザン・ジャパニーズ・ラーメン」をオープンした。同社にとってインド1号店で、日本の大手ラーメンチェーンのインド進出は初とみられる。IT企業が集まるベンガルールを皮切りに、他の自社ブランドも含め2030年までに全土で50店体制を目指す。(写真上:「火山ラーメン」の辛味噌味。来店客の前で熱した石鍋にスープをかけ、円すい型のふたをかぶせる、サンパーク提供)

 ラーメン店は、サンパークが展開する「豚骨火山」の姉妹ブランドとなる。同社は12年7月にシンガポールで豚骨火山の1号店を開店。現在では、タイとシンガポールにそれぞれ5店舗、カンボジアとフィリピンにそれぞれ1店舗、米国に2店舗と、インドを合わせると計15店舗を展開する。

 ベンガルールの店舗は直営の旗艦店で、繁華街のチャーチストリートにオープン。3フロアに計約120席を設けた。サンパークのゼネラルマネジャー、田中裕也氏は21日、NNAの取材に対し「他国の店舗は延べ床面積が100平方メートルほどだが、ベンガルール店は約300平方メートルある。豚骨火山ブランドの中では最大規模だ」と説明。従業員は日本人店長を含め現在19人。今月7日のオープンには、「日本人を中心に多くの人が訪れた」という。

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(ベンガルール店舗の外観。3フロアに約120席を用意した大型店舗、サンパーク提供)

■現地に合わせたメニューで勝負


 メニューには、多宗教の地域性を考慮し、豚骨ではなく鶏白湯(トリパイタン)ラーメンのしょうゆ味やみそ味、カレー味が並ぶ。菜食を好む人が多いことから、野菜ベースのスープを使ったビーガン対応のラーメンも用意した。麺は全て自家製で、食材は国内業者を通じて調達する。価格は1杯610ルピー(約1060円)から。

 また、ベンガルール店の限定商品として、南部で定番のコメと豆を発酵させて作る「ドーサ」を使ったメニューも考案。円すい型に焼いたドーサをラーメンにかぶせ、火山の噴火をイメージした。

 田中氏は客層について、「開店当初は日本人が多かったが、最近では6割ほどがインド人だ」とコメント。「特に自家製の麺と鶏白湯スープの評判が良い」と話した。ビーガン対応ラーメンの注文は、ラーメン全体の15%ほどを占める。

 酒類の提供は、必要な承認を取得後、9月下旬に始める見通し。食事配達も、地場大手のゾマトやスウィッギーを通じて、8月末ごろの開始を見込む。

■ラーメン店をまずは3店舗に


 インド出店は約1年半前から検討を始めた。当初は日本人駐在員の多い北部デリーやグルガオン、西部ムンバイも候補地に挙がっていた。ベンガルールに決めた理由について、田中氏は「日本食の競合店が多くないブルー・オーシャンという点が大きい」と説明。「現地の人口や和食店舗数の伸びはいずれも大きなポテンシャルを持つ。われわれは今後、10年単位での大幅な拡大を見据えている」と意気込みを示した。

 田中氏は、まずはベンガルールでラーメン店を3店舗ほどに増やしたい考え。その後、直営かフランチャイズ(FC)を通じて、他地域への拡大を検討する。さらに、自社ブランドのコーヒーレストラン「高木珈琲」のインド進出も検討しており、こちらもベンガルール開店が濃厚だ。他にも生ドーナツ専門店「ウィーラブドーナツ」や、カレーライス専門店「マジカレー」の展開も視野に入れている。(NNA

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