豪当局、遺伝子組み換え小麦の試験栽培認可 NNAオーストラリア
2024.09.20

オーストラリア連邦政府の遺伝子技術規制局(OGTR)が、アルゼンチンのバイオテクノロジー企業バイオセレス(Bioceres)・クロップ・ソリューションズ傘下のトリガル・オーストラリアに対し、HB4と呼ばれる遺伝子組み換え(GM)小麦の試験栽培を許可したことが分かった。オーストラリアにおけるGM小麦の商業栽培の実現が前進した形だ。(写真はイメージ)
OGTRはトリガルに対し、年間10カ所で最大20ヘクタールまでの栽培を認めた。試験地はニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州、西オーストラリア州で、栽培期間は2024年8月から29年12月まで。
試験栽培の目的は、オーストラリアの環境下で環境ストレスへの耐性など、GM小麦の研究および規制データを収集すること。試験栽培で得られた小麦は食用や飼料に用いることはない。
HB4技術は、22年5月にオーストラリア・ニュージーランド(NZ)食品安全局(FSANZ)により食品や飼料として使用することが既に認可されている。OGTRはGM小麦の試験栽培をアデレード大学やメルボルン大学などに許可しており、今回は非教育機関として初の試験ライセンス取得となった。
オーストラリアで商業栽培が認められているGM作物は、綿花、カノーラ、バナナ、ベニバナ、インディアン・マスタードの5種類。
■収穫量2割増か
穀物誌グレインセントラルによると、バイオセレスはHB4を「唯一の干ばつ耐性技術」としており、収穫量を最大20%増加させるとしている。
オーストラリアとNZ、米国以外では、HB4を食品・飼料として許可しているのは、ブラジル、コロンビア、アルゼンチン、ナイジェリア、パラグアイ、インドネシア、チリ、タイのみ。オーストラリアにとってはインドネシアがHB4小麦の潜在的市場となるという。また中国は5月にGM小麦品種の安全証明を認可し、GMのトウモロコシと大豆種子の許可を増やしている状況とされる。
一方、オーストラリアの穀物育種企業インターグレイン社は、米国の種子開発企業イナリ社と共同で、塩基配列に対応したCRISPR技術による小麦の開発を進めており、HB4とは異なるアプローチで品種改良を目指している。
(オセアニア農業専門誌ウェルス(Wealth) 9月20日号掲載)
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