グローバル

【マーケットリポート】栄養保健機能食品市場(後編)[食品]  NNA

2024.08.15

ツイート

【マーケットリポート】栄養保健機能食品市場(後編)[食品]  NNAの写真

 今回も前回に引き続き、中国における栄養保健機能食品市を見ていく。(写真はイメージ)

前編のまとめ

 ・ここで取り上げる栄養保健機能食品には、栄養機能食品と保健機能食品という2種類の製品が含まれる。栄養機能食品には乳幼児用均質化食品、栄養機能セット食品、はちみつ栄養機能製品、スポーツ栄養食品など、保健機能食品には免疫機能調節食品、アンチエイジング食品、記憶力改善食品、疲労回復食品、ダイエット食品などの生産活動が含まれる。

 ・2022年度の売上高は5,896億元(約12兆円)。

 ・同業界は製品の品目が多く、企業数も比較的多い。

■発展動向予測

 ・「湯臣倍健」や「仙楽健康」などの有名な大手企業がある川中に比べ、川上はセグメント分野が多く、各分野の製品カテゴリーの特徴や発展の歴史が異なるため勢力図の差も大きい。それぞれの競争分野でさまざまな企業が事業展開しており、川上全体をカバーする大手企業はまだ現れていない。製薬会社が原材料生産と製品開発の強みを生かし、原材料の製造、製品の生産、自社ブランド販売という産業チェーン全体を掌握することが可能とみられる。

 ・製品はより多様化、細分化されて科学的な裏付けのあるものとなり、セールスポイントとなる製品機能も細分化、専門化が進み、剤形もさらに多様化していく。

 ・近年、中国では国民の健康促進計画「"健康中国2030"計画綱要」「健康中国行動の実施に関する意見」「健康中国行動(2019~30年)」等の文書が相次いで公布され、健康促進計画の実施が進められており、産業への支援が継続的に強化されている。栄養保健機能食品産業は、「大健康」産業の重要な柱として社会的に重視されている。

 ・「大健康」というコンセプトの興隆、1人当たり可処分所得の増加、消費のアップグレードと人口の高齢化、さらに突然の新型コロナウイルス禍が重なったことで、中国人の健康に対する考え方は絶えず変化と深化を繰り返し、健康市場の巨大な需要が生まれた。栄養保健機能食品業界の前途とセグメント分野の将来的な成長の余地は、期待が持てるものと思われる。(NNA

最新記事