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食料安保の重要性を指摘 石破元農相が講演 共同通信きさらぎ会で

2024.05.17

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食料安保の重要性を指摘 石破元農相が講演 共同通信きさらぎ会での写真

 石破茂元農相・自民党元幹事長は5月17日、都内で開かれた共同通信社主催のきさらぎ会(写真)で「日本の政治課題と進路」と題して講演し「もう一回、真面目に食料安全保障、(国防の)安全保障を考えていかなければならない」と述べ、食料に関する議論を深めることが課題の一つだという認識を示した。

 石破元農相は、日本の進路について、民主主義や資本主義が大きく変質するなど「すべての課題が顕在化する時代を迎えた」と危機感を表明した。特に食料について「腹が減っては、戦はできない」と述べ、中国など各国が食料増産に取り組む中、「日本だけが(コメの生産調整が実質的に続くなど)食料生産を減らしてきた」と指摘した。

 食料自給率について「日本は38%(カロリーベース)で先進国の中で最低」と懸念を示した上で、供給熱量(カロリー)を基準にした計算式だと、輸入が途絶して餓死者が出る状態でも100%となる一方、飽食状態だと食品廃棄など実際に摂取されない供給分が算入されることから「食べ残しを含んでいて何が食料安保か」と述べ、自給率の算出方式の見直しが必要だと示唆した。

 講演後、内閣改造など自民党の人事に関する質問が出たが、「仮定の質問には答えられない」とし、一般論として「(地位は)目的ではなく、この国をどうするのか、何をやるかだ」と政策の重要性を強調、要職を打診されても「(目は)くらみません」と述べた。

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