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マレーシアと食品輸出支援の枠組み 日本政府、イスラム圏では初  NNA

2024.05.13

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マレーシアと食品輸出支援の枠組み 日本政府、イスラム圏では初  NNAの写真

 日本政府は52日、マレーシアで日本食の普及拡大と日本産農林水産物・食品の輸出拡大を推進する枠組み「食品輸出支援プラットフォーム」を立ち上げた。世界9カ国・地域目だが、イスラム圏での設置は初めて。ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)への対応などを支援し、イスラム圏での日本食や日本産農林水産物・食品の普及の足掛かりとしたい考えだ。(写真:食品輸出支援プラットフォームの立ち上げ式であいさつする高橋農林水産政務官=52日、クアラルンプール、NNA撮影)

 食品輸出支援プラットフォームでは、在マレーシア日本大使館、日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が連携し、マレーシアの事業者と協力しつつ、日本食の普及や日本産農林水産物・食品の輸出拡大に取り組んでいく。

 ジェトロ・クアラルンプール事務所の高野光一所長によると、ハラル市場や制度に関する調査の実施▽マレーシアの地方や、西洋料理や中華料理といった日本食以外のレストランへの日本産農林水産物・食品の商流拡大▽マレーシアの事業者を日本に招き、生産現場を見学してもらうといった招聘(しょうへい)事業の実施――の3つを柱に、取り組みを推進していく。

 6月にもホームページを開設する予定。また、日本とマレーシアの政府間や、事業者を交えた官民の協議会や情報交換会を開き、日本産農林水産物・食品の輸出に関する課題を吸い上げていくという。

 高橋光男農林水産政務官はNNAに対して、「マレーシアはイスラム教徒(ムスリム)が国民の約6割を占め、ハラル市場のハブとして大事な役割を果たし得ると判断し、食品輸出支援プラットフォームの設置を決めた」と説明。「マレーシアは2024年の実質国内総生産(GDP)成長率が前年比45%と見込まれ、国民の所得水準が上がっている一方で、(日本産農林水産物・食品の輸出では)マレー系市場を中心に開拓の余地がある」と指摘し、ハラル認証の手続きや地方への輸出拡大に向けた調査を実施し、現地の潮流にアプローチしていきたいとの考えを示した。

■日本食レストラン1900店に

 高橋克彦駐マレーシア大使によると、マレーシア国内の現在の日本食レストランの店舗数は約1900店に上り、2年前の約1300店から急増した。

 世界での日本食の人気の高まりとともに、日本産農林水産品・食品の輸出額は11年以降、右肩上がりに伸びており、23年には過去最高となる1兆4500億円超に達した。マレーシアへの23年の輸出額は194億円と、過去10年間で3倍に拡大し、国・地域別で12位となっている。

 高橋農林水産政務官は、日本からマレーシアでの輸出では、ハラル認証を取得した神戸牛を含む和牛などの肉や水産品が伸びていることに言及した上で、「マレーシア国民の健康志向の高まりを背景に、今後はお茶や納豆などの輸出拡大のチャンスがあるとみている」と述べた。

 日本政府は海外での日本食の普及と日本産農林水産品・食品の輸出拡大に注力しており、これまでにマレーシアを含む9カ国・地域に食品輸出支援プラットフォームを設置。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国では、マレーシアは、タイ、シンガポール、ベトナムに続き4カ国目となった。年内には、マレーシアと同じイスラム圏であるアラブ首長国連邦(UAE)への設置も予定している。(NNA

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