良食に最適な「豆」 安武郁子 食育実践ジャーナリスト 連載「口福の源」
2023.09.18
暑い夏といえば、生ビールでしょうか? 最近は健康志向の高まりもあり、低カロリーでプリン体がほとんど含まれないハイボールも人気ですね。いずれにしても、夏のおつまみといえば、旬の野菜である枝豆。取れたて、でたての枝豆がぜいたくでおいしい季節です。
枝豆と大豆、見た目は異なりますが、実は同じ野菜。若いうちに収穫したものが枝豆。暑い時期の7〜9月の夏場に枝豆は収穫し、大豆は10月頃に収穫します。青々とした枝豆の元気な姿を見ると、大豆になる前の活力を感じることができるかもしれません。
ここでクイズです!
体が喜び、頭が良くなって、心が豊かになって、元気 に(山に)登れる食材はなんでしょう?
答えは「豆」です。
「喜」「頭」「豊」「登」という漢字には全て「豆」という字が含まれており、素晴らしい活性食であることが漢字からも伝わってきます。(写真 ⓒ食育推進団体イートライトジャパン)
まずは「喜」。豆は、畑のお肉とも言われるように、体が喜ぶ良質なたんぱく質やビタミン、カルシウム、鉄分を豊富に含んでいます。たんぱく質は身体を作るために欠かせない栄養素であり、ビタミンB群はエネルギーの代謝に関わり、体を元気に保つお手伝いする成分です。豆を食べることで体が喜び、活き活きとした毎日を送ることができます。
次に「頭」。豆には脳を活性化するレシチンも豊富に含まれています。このレシチンは体内でアセチルコリンに変換され、脳の記憶力を高める成分となります。勉強や仕事で頭を使うことが多い方は、積極的に豆を食事に取り入れることで、脳の働きをサポートし、集中力や記憶力を向上させる効果が期待できます。
そして、「豊」。豆には心が豊かになる成分がたくさん含まれています。セロトニンというホルモンの前駆体であるトリプトファンが含まれており、これが気分を安定させる効果を持っています。セロトニンは幸福感をもたらし、心のバランスを整える効果があるため、ストレスの多い日々でも心を豊かに保つことができます。
さらに、大豆の成分は美肌にも良い影響を与えます。豆 に含まれるアンチオキシダントやビタミンEは、肌の老化を防ぐ働きがあります。美肌を目指す方にも大豆はおすすめです。
豆は、咀嚼回数が多くなる調理法にも適しています。豆を食事に取り入れる良食を実践すると、体が喜び、頭が良くなって、心が豊かになると、(山に)登る活力も出て、子どもたちは元気に学校へ登校することができます。「豆」はまさに口福の源です。
(Kyodo Weekly・政経週報 2023年9月4日号掲載)
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