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「健康志向」で脚光 ヨーグルト専門店  上海在住・野村義樹  連載「中カツ!通信」

2023.08.28

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「健康志向」で脚光 ヨーグルト専門店  上海在住・野村義樹  連載「中カツ!通信」の写真

 中国では、ゼロコロナ政策が緩和された今でも「健康志向」は消費のキーワードである。健康の三大要素として、よく挙げられる「適度な運動」「適切な食事」「休養(睡眠含む)」それぞれの領域においてトレンドに乗ったビジネスの成長が目立つ。ソフトバンクグループも出資する在宅フィットネスサービス「Keep」は香港市場に上場した。

 そして「健康志向」の商品として脚光を浴びているのがヨーグルト専門店である。既に都市部の若者に浸透したミルクティー、コーヒーに続けと、積極的な出店攻勢が行われている。「茉酸奶(MORE YOGURT)」は2022年末に約300店だったのが、233月から6月で倍以上の700店舗に広げて全土で1千店舗を超え、会員は1千万人超、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の月間売上額は5023万元を超える。ただ設立は14年なので、この半年で一気に加速をしていることが分かる。(写真上:MORE YOGURTの店舗、筆者撮影)

 MORE YOGURTの看板商品は店前のマスコットにもなっているアボカドヨーグルトシェイク。アボカド1個分が入っている、この商品は、食後のミルクティー、コーヒーとは明らかに違うズッシリとした重さがある。値段もスーパーやコンビニで売られているヨーグルト飲料とは一線を画す高価格の299元。ただ元々、スーパフードとして人気だったアボカドと生ヨーグルトという「健康志向」ミックスが、意識高い系を中心に流行中なのである。

 さらに高級路線なのが、現在8都市で約100店舗にまで拡大中の「BLUEGLASS YOGURT」。店舗で展示されている売れ筋トップ5はどれも40元を超える商品ばかり。一番人気は「アボカドココナッツオーツ分子プチプチ1000億活性ビフィズス菌ヨーグルト」(42元)。健康に良さそうな人気食材を、これでもかと詰め込んだ商品だ。

 BLUEGLASS YOGURTはヨガウェアで有名な「LULULEMON」ともコラボするほか、自社オンライン店舗ではアウトドア用の自転車、ラグビーボールを売るなど健康イメージのブランディングにも積極的である。

 ただ、これらの「健康志向」を誤解してしまう消費者が後を絶たない。健康志向はダイエットにも適していると勘違いしてしまうのだ。「低カロリーだと思って5日で約20杯飲んだ結果、3キロも太った」というSNSへの投稿が注目を集めると、「だまされたような気持ち、もう飲むのをやめる」というコメントが相次ぐ。

 「ベジタリアンは誰も太っていない」という誤解に似たようなヨーグルトやアボカドへの過度な期待から目が覚めた消費者は、次なる「〇〇は食べても太らなさそう」という"都合のよい健康志向"の商品を見つけ、新たなブームをつくっていくことであろう。

(Kyodo Weekly・政経週報 2023年8月14・21日号掲載)

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