パン市場は小幅拡大続く 26年度は1兆6000億円へ 矢野経済研究所
2023.05.02
矢野経済研究所がこのほど発刊した市場調査資料「2023年版 パン市場の展望と戦略」によると、2020年度の国内パン市場(メーカー出荷金額ベース)はコロナ禍で業務用、消費者向けがともに減少し1兆5196億円と落ち込んだが、その後の経済活動や社会生活の回復に伴う需要回復などを受けて、市場規模は微増傾向が続く見通しで、26年度には1兆6090億円と、初めて1兆6000億円を超えると予測する。(写真はイメージ)
パン市場とは、ベーカリー(パン屋)、コンビニ・量販店、給食用、レストラン・外食店、ネット通販といったルートで販売されるパン、冷凍パン生地が対象。
22年度の市場(見込み)は、前年度比2.5%増の1兆5732億円と2年連続で拡大した。23年度は0.1%増とほぼ横ばいの1兆5755億円になると予測する。
パンの原材料価格の高騰から、工場で大量生産するホールセールメーカーや小売業者は、企業努力だけでは価格維持が難しくなっており、22年度以降に多くの事業者が値上げしている。
今後も価格上昇が続くと想定されることから、一部消費者のパン離れ、またはより安価なパン消費へ移行することが懸念されている。
こうした中、今後は主に高級食パンに代表される高付加価値の商品を求める消費者と、値上げを受け入れながら従来品を買い続ける消費者、値上げにより従来品から離反する節約志向の消費者に大別されるとみる。
ホールセールメーカーは商品価値と価格に見合う消費者を対象に商品展開し、消費者層を取りこぼすことなくあらゆる顧客層を囲い込み、売り上げの拡大を目指すと考えられる。
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