農福連携の有機卵増産など6事業に 農林水産業みらい基金の助成決定
2022.12.20

創意工夫で課題に挑む地域の農林水産業者を支援する「農林水産業みらい基金」(東京)は20日、2022年度の助成対象事業6件を決定したと発表した。助成総額は9億3784万円。
同基金は14年3月に農林中央金庫が200億円を拠出して設立。22年度の助成事業は5月14日~6月30日に一般公募し、全国から計139件の応募があった。
助成対象に決まった6事業は以下の通り。
①【農業】事業名:鶏舎建設と穀物乾燥施設建設、事業者:一般社団法人Agricola(北海道当別町)
就労継続支援A型事業所として通年雇用による障がい者の就労支援を行うとともに、養鶏4200羽を放し飼いで飼育し、有機認証卵を生産・販売している。木造鶏舎の増築し、給餌・給水管理の自動化による労働環境改善なども進める。
②【農業】事業名:農作業マッチングサービス、事業者:トッパン・フォームズ株式会社(東京)、事業地:宮崎県、大分県
農作業工程を可視化・分解・再構築し、農作業を委託する生産者と受託する農業法人等の双方の利益が向上する作業を特定するとともに、農場・作業・生産データ活用・統合し、地域の生産が維持拡大するインフラ構築を目指す。
③【農業】事業名:有機農園拡大及び販路の確保による「有機の郷」構想の実現、事業者:有限会社人と農・自然をつなぐ会(静岡県藤枝市)
有機認証と食品安全国際認証に適合した工場を再整備して有機茶の生産加工能力を上げるとともに、新規就農者の研修受け入れを増やして有機茶栽培農家を増やすことなどを通じ、ブランド「有機の郷」の向上を目指す。
④【林業】事業名:積雪地域での造林課題を解決する!未来の森づくり、事業者:株式会社GREEN FORESTERS(新潟県村上市)
冬季業務として林地残材を活用した木工事業や育苗事業を立ち上げるとともに、生物多様性に配慮した森作りの施業手法と評価手法を策定することで、森林の多面的な機能が発揮される社会の実現を目指す。
⑤【林業】事業名:「D」が森林と都市を「X」する、事業者:宮城十條林産株式会社(仙台市)
ブロックチェーン技術を活用した透明性と改ざん防止機能が高い林業・木材産業の管理システムを構築・運用し、複雑な生産・加工・流通を慣習的に行って旧態依然としている業界の「情報の壁」を打破する。
⑥【水産業】事業名:村張定置網のコミュニティビジネスへの変革~定置網とオラッチャの生活~、事業者:宇波浦漁業組合(富山県氷見市)
地域住民が出資する定置網漁業である「村張定置」を漁業経営の安定化と地域とのコミュニティー維持を図るビジネスと位置付け、雇用の創出や高齢化の進む地域の見守り、イベント参加による生き甲斐の創出を目指す。
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