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コラム

消えた「成長産業化」 方向失う岸田農政 アグリラボ編集長コラムの写真

消えた「成長産業化」 方向失う岸田農政 アグリラボ編集長コラム

 岸田文雄政権の農業政策の方向が、ますます見えにくくなった。10月23日の国会の所信表明演説で、これまで農政の柱として位置付けてきた「農業の成長産業化」について触れなかったからだ。  政府は、「農政の憲法」とも言われる食料・農業・農村基本法の改正を目指しており、演説では農業政策について強いメッセージ...

宮下農相、水産風評対策が試金石 不毛なWTO協議 アグリラボ編集長コラムの写真

宮下農相、水産風評対策が試金石 不毛なWTO協議 アグリラボ編集長コラム

 「処理水」を「汚染水」と言い間違え、内閣改造の前日に「これ以上は息が切れてしまう」とダウン寸前だった野村哲郎氏に代わって、宮下一郎氏(写真=農水省HPから)が農相に起用された。自民党農林部会長を経験するなど農林水産行政に精通しており、岸田文雄首相は、「食料安全保障の強化」に期待を示した。  しかし...

賃金上昇が招く農村の危機 問われる新しい働き方 アグリラボ編集長コラムの写真

賃金上昇が招く農村の危機 問われる新しい働き方 アグリラボ編集長コラム

 人事院は8月7日、国家公務員一般職の給与の引き上げを勧告した。また、厚生労働省の中央最低賃金審議会は7月28日に、最低賃金を大幅に引き上げ全国平均で時給1002円とする目安額をまとめた。今春の民間企業の賃上げも30年ぶりの高水準だった。物価上昇を上回る形で賃金が上昇すれば、消費の拡大を通じて経済の...

存在感増す鹿児島県 JA全中会長に山野氏内定 アグリラボ所長コラムの写真

存在感増す鹿児島県 JA全中会長に山野氏内定 アグリラボ所長コラム

(写真はイメージ)  安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃され死去して1年。7月8日に東京・芝公園の増上寺で営まれた一周忌法要後の食事会で、岸田文雄首相は「安倍氏から受け継いだバトンをしっかりと次の世代に引き継ぐ」と述べ、決意を新たにした。しかし、少なくとも農業政策に関しては、規制緩和を柱とする安倍政権...

「一人一人の食料安保」  新たな定義に政策転換を期待  アグリラボ所長コラムの写真

「一人一人の食料安保」  新たな定義に政策転換を期待  アグリラボ所長コラム

 食料・農業・農村基本法の見直しを議論してきた農林水産省の基本法検証部会(部会長・中嶋康博東大大学院教授)は5月29日、野村哲郎農相に中間取りまとめを提出した。同省は意見の募集や地方説明会を経て、「農政の憲法」とも言われる基本法の改正を目指す。  中間取りまとめの中で特筆すべき点は、食料安全保障につ...

卵の流通に異変  自給率低下の恐れ  アグリラボ所長コラムの写真

卵の流通に異変  自給率低下の恐れ  アグリラボ所長コラム

 大手食品メーカーのキユーピーが業務用にブラジル産の卵の輸入を始めた。95%の高い自給率を維持してきた鶏卵の流通が転換する節目になるだろう。  キユーピーが卵の輸入に踏み切った理由は、鳥インフルエンザに伴い採卵養鶏が大量に殺処分されたことだ。スーパーなどの店頭での影響を緩和するため、比較的サイズが小...