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コラム

法廷闘争が残した負の遺産  誰も責任をとらない諫早干拓  アグリラボ所長コラムの写真

法廷闘争が残した負の遺産  誰も責任をとらない諫早干拓  アグリラボ所長コラム

国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防の排水門を開くか閉じるかで争われた訴訟は、最高裁が3月1日に「非開門」の判断を下し、約20年にわたる法廷闘争は事実上決着した。一度は「開門」で確定したはずの逆転に、「(国に)見捨てられた気分だ」、「立つ気力もない」という漁業者の無念や落胆は察するに余りある。...

食料安保は農家への敬意から  穀物も肉も頼りは国内  小視曽四郎 農政ジャーナリストの写真

食料安保は農家への敬意から  穀物も肉も頼りは国内  小視曽四郎 農政ジャーナリ...

同じ安全保障の問題でもかくも大きな差を感じるのは、防衛力と食料への岸田文雄首相の態度だ。防衛ではバイデン米大統領に約束していた「抜本的強化」と「相当な増額」が、新春の訪米土産として出来上がったようだ。対する食料政策。価格高騰を「日本経済の大きなリスク要因」と、食料安保の重視を明言した首相。だが20...

大量殺処分は「災害」なのか  アグリラボ所長コラムの写真

大量殺処分は「災害」なのか  アグリラボ所長コラム

(写真はイメージ) 高病原性鳥インフルエンザが全国各地で猛威を振るい、昨年秋以降、25道県で計70例(1月末現在)の発生があり、殺処分の対象は1235万羽を超えた。大半は卵を採取するための鶏で、全国の飼育数約1億3000万羽の約1割に達する。それでも流行の季節はまだ半ばで、春まで万全の警戒が必要だ...

埋没した消費者視点  生産最重視の食料安保大綱  アグリラボ所長コラムの写真

埋没した消費者視点  生産最重視の食料安保大綱  アグリラボ所長コラム

岸田文雄政権は昨年末に「食料安全保障強化政策大綱」をまとめ、「構造転換」を打ち出した。しかしその具体策は国内生産を最重視する内容で、従来の政策と本質的に変わらない。食料安保を強化するためには、視野の狭いたこつぼ型の発想から脱却し、貧困対策などと融合した総合的な政策が必要だ。 政府は昨年12月27日...

緊張感持ち知恵を出せ  本気度足りない政府の基本法検証  小視曽四郎 農政ジャーナリストの写真

緊張感持ち知恵を出せ  本気度足りない政府の基本法検証  小視曽四郎 農政ジャー...

政府の食料・農業・農村基本法の検証作業の行方が注目される。ついに食料安全保障の確立に向け「本気モード」の姿勢だが、検証の様子を見ると、集中度、緊迫度、課題に立ち向かう積極さ、中長期的な展望意欲などさまざまな面で物足りなさを感じてしまう。補正予算で1000億円超の「食料安保予算」が組まれたのは歓迎だ...

サッカー強国は農業大国か  食料事情安定が不可欠  共同通信アグリラボ所長コラムの写真

サッカー強国は農業大国か  食料事情安定が不可欠  共同通信アグリラボ所長コラム

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は、16強による決勝トーナメントが始まり、連日熱戦が繰り広げられている。アルゼンチン、フランス、オーストラリア、ブラジル、米国など農業大国の出場チームが多い印象を受ける。サッカーの強弱と食料生産との間に相関関係はあるだろうか。 農業大国かどうかは、さまざ...