「研究紹介」穀物の実質価格は低下する 農林水産政策研究所レビュー(No.114=2023年7月31日)
2023.08.15
食料品の値上げが相次ぎ、食料の安定供給の重要性が認識されているが、中長期的に食料需給は安定するのだろうか。農林水産政策研究所レビュー(No.114=2023年7月31日)に掲載された「2032年における世界の食料需給見通し」(古橋元・国際領域、小泉達治・同上席主任研究官、伊藤暢宏・食料領域研究員)によると、中長期的に穀物の実質価格は低下する。
一方、中国は、大豆など輸入に大きく依存している食料油の原料について国内生産を増強する方向だ。この政策の妥当性も含めて、百﨑賢之・国際領域上席主任研究官が「中国の食糧安全保障―『油瓶の中身』もできるだけ自力で」で中国の事情をわかりやすく紹介している。
巻頭言では、榊田みどり明治大学客員教授が「担い手」だけで農村を維持できるのかという疑問を提起している。