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モダンな茶館が人気 中国 健康志向の高まりで若者集う  NNA

2024.02.07

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モダンな茶館が人気 中国 健康志向の高まりで若者集う  NNAの写真

 中国で茶文化を体験できる「茶館」が若者の間で人気を集めている。おしゃれな空間を演出する新しいタイプの店舗の開設が相次いでいるほか、健康志向の高まりや社交性を重視する若年~青年層が増えていることも茶館の需要拡大に拍車をかける。茶館の利用が若者の間でも浸透し始めたことで、ミルクティーなどを販売するドリンクスタンドチェーンも茶館の運営に乗り出している。(写真:上海市ではモダンとレトロを取り入れた新しいタイプの茶館が増え、若者の利用が拡大している)

 茶館とは店内で中国茶と茶菓子を楽しむことができる専門店。中国では宋代に入り、経済発展とともに茶を飲む習慣が広まったことで茶館がつくられるようになった。

 現代の茶館はこれまで中高年の利用が多く、古びた施設も目立っていた。しかし、近年はおしゃれで現代的な空間と古代の装飾などが融合した新しいタイプの茶館(新中式茶館)が増え、若者を中心に人気が拡大。高級店はまるで美術館にやってきたかのような雰囲気だ。一方、カフェのような空間デザインの茶館も登場し、消費者の支持を集めている。

 上海市長寧区にある茶館「一刻三盞茶室茶館」は、手軽に中国茶を楽しめる場として人気だ。完全個室で、1人でも2~10人以上のグループでも利用できる。室内には中国風のすだれやクッションなどが配置され、シンプルな中にそこはかとなく懐かしさも漂う空間だ。

 同店が提供する中国茶は全13種類。雲南省のプーアル茶(雲南生普・熟普)や福建省の白茶(白毫銀針)、浙江省の緑茶(龍井茶)などをそろえる。店主によると、茶葉の甘みを感じられるウーロン茶「武夷山水仙」や華やかな香りが漂うウーロン茶「鳳凰単叢」が特におすすめ。個室には茶器が用意されており、セルフで中国茶を入れる形となる。

 茶菓子として、ナッツあんのパイや梅の実を燻製(くんせい)にした「烏梅」、ひまわりの種などもつく。2人で利用する場合の料金は1時間232元(約4800円)。同店には20~30代を中心に1日30~40人が訪れるという。

 「新型コロナウイルス禍で健康意識が高まったほか、生活習慣を改善して健康に留意する『養生』に関心を持つ若者が増えている」。店主は中国茶に注目が集まる理由をこう説明する。

 中国茶は健康だけでなく、美容やダイエットにもいいとされるため、若い女性の来店が多いという。

 加えて新しいタイプの茶館は、「交流サイト(SNS)映え」する空間設計で、SNSをよく利用する若者にとって社交の場になっているという。自国文化を重視する「国潮」の高まりも茶館ブームの追い風だ。

■ドリンクスタンドチェーンも参入


 若者の茶館人気を受けて、茶系飲料のドリンクスタンドチェーン店「奈雪的茶」を展開する奈雪的茶控股(ナユキ・ホールディングス)も茶館の運営に動き出した。

 奈雪は昨年10月、広東省深セン市で茶館ブランド「奈雪茶院」の1号店をオープン。急須で中国茶を楽しめる空間をつくった。湖南省長沙市発のドリンクスタンドチェーン店「茶顔悦色」も2022年5月に茶館「小神閑茶館」を開業した。

 茶館チェーンとしては、深セン市で18年に起業した「ティーストーン」が事業を拡大している。店内はカフェのようなモダンな空間で、100種以上の中国茶を提供。現在は深セン市や上海市、湖北省武漢市、陝西省西安市などで計15店を展開中だ。

■茶葉購入も拡大


 中国では若者による茶葉の購入が拡大している。

 中国茶葉流通協会によると、中国の22年の茶葉消費額は前年比8.8%増の3395億2700万元だった。協会は、「80後」(1980年代生まれ)や「90後」(1990年代生まれ)が消費の主体となりつつあり、「00後」(2000年代生まれ)による消費も今後右肩上がりで推移するとの見方を示した。

 若者は電子商取引(EC)での購入が主流。京東集団(JDドット・コム)の通販サイト「京東商城」での年代別に見た茶葉の購入者は21~40歳が最も多く、中でも35歳以下が5割強を占めた。(NNA)

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