中国産マツタケ、国内で人気高まる NNA
2023.07.27

中国で近年、マツタケの需要が急速に拡大している。空輸網やコールドチェーン(低温物流)の整備で産地から新鮮なまま提供できるようになり、インターネット通販を通じて購入する人も増えている。中国の貿易業者によると、国内消費が増える中、一定量を日本向け輸出から国内向けに振り向ける動きもあるという。証券日報(電子版)が伝えた。(写真はイメージ)
最大産地の雲南省では昨年7月、地元企業などがマツタケの「ライブコマース」(ライブ配信型インターネット通販)を実施。同ライブコマースの視聴者は延べ233万人に達し、総取引額(GMV)は320万元(約6300万円)に上った。8月に行った第2弾でもマツタケ計19万個を売り上げた。
主要産地の雲南省デチェン・チベット族自治州のマツタケ生産量は年間最大1400トンに上り、全国の3割以上を占める。同州香格里拉(シャングリラ)市や楚雄イ族自治州南華県でとれるマツタケが全国的に有名だ。
デチェン・チベット族自治州には300社を超えるマツタケ販売業者やネット通販企業が進出し、北京市や上海市、広東省広州市、同省深セン市、浙江省杭州市など大都市への供給を強化している。
中国の貿易業者によると、近年の国内でのマツタケ需要急増の背景には、コールドチェーンの普及で全国各地に新鮮なマツタケを提供できるようになったことや、電子商取引(EC)の急速な発展があるという。
宅配大手の順豊速運(SFエクスプレス)は、デチェン・チベット族自治州から24時間以内に全国60都市、48時間以内に200都市にマツタケを輸送できる空輸網を整備し、これまでに275トンを輸送した。今年7月には貨物機に加えてドローンも投入し、マツタケの産地直送サービスを手がけている。(NNA)
最新記事
-
日本人、全都道府県で減少 週間ニュースダイジェスト(7月23日~7月...
▼鳥インフル、発生備え提言 農水省(7月25日) 農林水産省は鳥インフルエン...
-
長崎・鷹島にアジあり 小島愛之助 日本離島センター専務理事 連載「...
アジの水揚げ高日本一を誇る都市で、近年「アジフライの聖地」として売り出し中の長...
-
酪農危機、消費者ができることは 青山浩子 新潟食料農業大学准教授 ...
酪農が危機に立たされている。需要減少と生産コスト高騰という不運が重なった。まず...
-
2040年に国内生産が危機 「113万㏊の耕地死守」と提言 三菱総...
(2050年までの主食穀物需要・国内生産・ギャップの成り行き推計、単位:万トン=...
-
中国産マツタケ、国内で人気高まる NNA
中国で近年、マツタケの需要が急速に拡大している。空輸網やコールドチェーン(低温...
-
日本ビール輸入額3.9倍、不買運動後で最大 韓国 NNA
韓国関税庁の貿易統計によると、2023年6月の日本ビールの輸入量は5553トン...
-
上半期訪日客1千万人超え 週間ニュースダイジェスト(7月16日~7月...
▼英TPP加盟を承認(7月16日) 環太平洋連携協定(TPP)に加盟する日本...
-
花粉の少ないスギばかりにしていいのか? 赤堀楠雄 材木ライター 連...
木を植えて育てる山づくりは、苗木を育てることから始まる。種をまき、芽生えを確認...
-
令和のドーナツブーム 畑中三応子 食文化研究家 連載「口福の源」
目下、スイーツ界はドーナツブームで沸いている。引き金になったのは去年の3月、東...
-
「小さな水」への挑戦 緩速ろ過「染屋浄水場」 菅沼栄一郎 ジャーナリ...
信州の梅雨空の下、プールのような「ろ過池」が13個広がる染屋浄水場(長野県上田...