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目指せエンタメ県!長崎の基幹産業に  陣内純英 西海みずき信用組合理事長  連載「よんななエコノミー」

2023.06.26

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目指せエンタメ県!長崎の基幹産業に  陣内純英 西海みずき信用組合理事長  連載「よんななエコノミー」の写真

 先月、プロバスケットボールチーム、長崎ヴェルカがB1昇格を決めた。そのクラブの理念に「ファンだけでなく、どんな人でも楽しめるエンタテインメントを生み出し、長崎から世界へ、ワクワクと平和のメッセージを届ける」とある。長崎市では、サッカースタジアム、アリーナ、商業施設、ホテルなどを開発する「長崎スタジアムシティプロジェクト」も進んでおり、スポーツ・エンタメの盛り上がりが期待される。

 一方、佐世保市では、オンラインゲーム「艦隊これくしょん」のイベントが開催された。声優陣が登場するステージや、地元飲食店とのコラボ企画、佐世保鎮守府スタンプラリーなどが展開され、全国から1万人規模の「提督」(ゲームプレーヤー)が集結した。アニメ系キャラクターとしては、「鉄道むすめ」の「西浦ありさ」も有望だ。彼女は、佐世保から、たびら平戸口、松浦、伊万里を経由して有田に至る「松浦鉄道」の営業部広報担当。これからどんな企画が展開されるか楽しみだ。

 長崎の圧倒的ロケーションで描く恋の物語「こん、こん。」も封切られた(写真右が映画のポスター)。横尾初喜監督は佐世保市出身。撮影以外でも頻繁に長崎県に帰り、メーキング秘話などを披露するトークショーも各地で開催している。「ロケを多くのエキストラや見学者が参加するお祭りにするなど、映画づくりを地域のエンタメに育てたい」「今後長崎を舞台にする映画をますます増やし、関連産業を地域に根付かせたい」という思いがある。

 佐世保はジャズの街でもある。この夏には「させぼJAZZ」が3年ぶりに開かれる(写真左がポスター)。グラミー賞を3度受賞したスナーキー・パピーのメンバー小川慶太さんが帰郷し演奏するとあって、大いに盛り上がっている。

 長崎はもともと、おくんち、精霊流し、たこ揚げなど伝統のエンタメがあり、近年、ハウステンボスやランタンフェスティバルが加わった。国立公園、世界遺産も二つずつある。これにスポーツ、ゲーム・アニメ、映画、音楽が充実してくれば、まさに鬼に金棒。石炭、造船などかつての基幹産業も今や世界遺産としてエンタメの一翼を担うようになり、エンタメ産業が長崎県の基幹産業となりつつある。

 とは言え、東京やハリウッドと競う力はない。先日、ある声優さんに活動拠点を長崎に移せないかと尋ねてみたが、「まともな録音スタジオすらないのに無理です」と一蹴された。イベントの企画・運営、映像・アニメ・ゲーム・音楽などコンテンツの制作、タレントの育成・マネジメントなど、幅広い産業の集積を図る必要があるようだ。裾野が広いだけに、この産業の育成は、地域の経済成長を促す強い力となろう。それになんと言っても地域が明るく楽しく、にぎやかになる。目指せエンタメ県!

Kyodo Weekly・政経週報 2023612日号掲載)

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