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エルニーニョ、食品価格に影響も  カンボジア  NNA

2023.06.19

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 国連世界食糧計画(WFP)は、エルニーニョ現象の影響でカンボジアの農作物収穫量が減少し、食品の需給が逼迫(ひっぱく)して価格が上昇する恐れがあると警戒している。専門家は、2023年9月から24年初頭にかけて同現象が発生する確率を90%と予測している。クメール・タイムズ(電子版)が8日伝えた。

 WFPのエコノミストのウィリアム・サットン氏によると、同現象が発生すると干ばつが起き、コメの生産量が10%減少。国内総生産(GDP)が年間で0.4%低下するとみられる。カンボジアで1994年、2002年、05年に発生したエルニーニョに伴う経済損失は推計で1億3,800万米ドル(約192億円)だった。

 また、19~20年にエルニーニョ現象が発生した際には、東南アジア最大の湖トンレサップ湖の水位が大幅に低下するなどして農業や漁業に影響が出た。コメの生産で1億米ドルに上る損失が出たとされている。

 WFPによると、カンボジアでの基本的な食糧(BFB)購入コストは4月、25.6米ドルとなり前年同月を2.8%下回った一方、前月実績を0.6%上回った。

 サットン氏は、エルニーニョ現象への対応策として、干ばつに強い農産品の品種導入が有効だと指摘。干ばつへの耐性が高い品種の導入で、GDPの損失額を6100万米ドルから3400万米ドルまで抑制できるとの見解を示した。(NNA)

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