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ロシアが安全操業協定の履行中断  週間ニュースダイジェスト(6月5日~11日)

2022.06.13

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 ロシアが北方領土周辺水域で日本漁船が拿捕などをされない「安全操業協定」の履行中断を発表した(6月7日)。日本側がサハリン州との協力事業で資金の支払いを拒んでいることを、協定停止の理由に挙げている。
 安全操業協定は日ロ間に4つある漁業協定の一つ。北方四島周辺のロシアが主張する領海で、日本側がロシア関係機関に協力金を払ってホッケ漁などを行う仕組み。9~12月に予定されているホッケ刺し網漁、10~12月のタコ漁に影響する可能性がある。
 政府は「一方的な発表は受け入れられない」などとロシアに抗議し、松野博一官房長官は記者会見で「協定の下での操業が継続できるよう協議を行っていく考えだ」と述べた(6月8日)。
 公正取引委員会は独禁法違反の疑いで、有明海の養殖ノリ生産にかかわる漁協や漁連を立ち入り検査した(6月7日)。


 ▼商業捕鯨スタート(6月6日)
 北海道のオホーツク海沖で、小型捕鯨船によるミンククジラ漁が始まった。6月末にかけ32頭の捕獲を目指す。太平洋側の排他的経済水域(EEZ)でニタリクジラ150頭とイワシクジラ25頭を捕獲予定の商業捕鯨船も7日、広島・尾道を出航した

 ▼ノリ出荷で独禁法違反疑い(6月7日)
 九州の有明海の養殖ノリ生産者に不当に全量出荷などを求めているとして、公正取引委員会は独禁法違反(不公正な取引方法)の疑いで、福岡、佐賀、熊本3県の漁協や漁連などを立ち入り検査した。独自ルートでの販売を認めず、自由な競争を阻害した可能性がある

 ▼安全操業協定の履行中断(6月7日)
 ロシア外務省は、日ロが1998年に締結した北方領土周辺水域で日本漁船が拿捕などをされない「安全操業協定」の履行を中断すると発表した。日本の経済制裁への反発が背景にあるとみられる。9月に始まるホッケ漁などに影響が及ぶ恐れがある

 ▼バナナ値上げ要請(6月8日)
 フィリピン政府は日本の小売店の業界団体に、フィリピン産バナナの販売価格引き上げを申し入れた。コロナ禍やウクライナ戦争で生産・輸送コストが上昇し、生産者の利益がほとんど出なくなっているため。フィリピン産は日本が輸入するバナナの76%を占めるという

 ▼16億人に影響(6月8日)
 ロシア軍の黒海封鎖によるウクライナ産穀物の輸出滞留問題で、国連が報告書を公表し「穀物価格の上昇など94カ国の16億人が影響を受けている」と指摘した。ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、「黒海の安全な航行には英国などによる護衛が必要」などと演説した

 ▼食品ロス減る(6月9日)
 政府は2020年度の食品ロスの推計値が522万㌧と、国民1人あたり1日113㌘相当だったと発表した。前年度比8%減で、推計開始の12年度以降で最少だった。コロナ禍での外食店の利用減が影響した。内訳は事業者が11%減の275万㌧、家庭は5%減の247万㌧

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