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転作加速の可能性  週間ニュースダイジェスト(5月29日~6月4日)

2022.06.06

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 農林水産省による2022年産米の作付け意向調査(4月末時点)で、主食用米は37道府県が21年産米の実績より作付面積を「減らす」とした。前回調査(1月末時点)の22道府県から大幅に増加した(6月2日)。
 コロナ禍による外食需要の減少などコメ消費の減少が進んでいる。穀物価格の世界的な高騰で主食用米以外の生産が有利になっていることもあり、飼料用米や麦、大豆などへの転換が一気に進む可能性もある。
 
農水省は調査結果から全国の主食用米の作付面積は約3.5万㌶減ると試算しているが、生産量を22年産の需要に見合った675万㌧に収めるにはさらに約0.4万㌶の転換が必要だとして、転作を呼びかけている。
 政府は林業白書(5月31日)、水産白書(6月3日)を閣議決定した。


 ▼給水は4日に1度(5月31日)
 愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」について東海農政局は、仮設ポンプの増設により、農工業用に最低限必要な水量を確保したと明らかにした。停止していた農業用水の供給は5月30日に再開したが、水量不足のため1区域への給水は4日に1度となっている

 ▼国産材安定供給が重要(5月31日)
 政府が閣議決定した2021年度版の森林・林業白書は、「ウッドショック」を受け「国産材の安定供給・安定需要により、海外市場の影響を受けにくい需給構造を構築することが重要」と指摘した。20年の木材自給率は10年連続上昇の41.8%と、48年ぶりに4割台を回復した

 ▼食品値上げ1万品目超(6月1日)
 帝国データバンクは食品主要105社が年内に実施したか予定している値上げが、1万789品目になったとの調査結果を発表した。平均の値上げ幅は13%。計約3000品目が7~8月に値上げ予定で、秋以降も再値上げが広がって価格改定の動きが長期化するとの見方もある

 ▼穀物高で転作加速か(6月2日)
 農林水産省が発表した2022年産米の作付け意向調査(4月末時点)で、主食用米の作付面積を37道府県が前年実績より「減らす」とした。前回(1月末時点調査)の22道府県から大幅に増えた。飼料用米や麦、大豆などへの転換が加速する可能性がある

 ▼魚介類消費量が最低(6月3日)
 政府が閣議決定した2021年度の水産白書によると、日本の1人当たりの魚介類消費量が20年度に23.4㌔と、1960年度以降で最低になった。コロナ禍で外食の消費が減ったのが響いた。21年の水産物輸出額は3015億円と前年を32.5%上回り、コロナ禍前の19年の水準を上回った

 ▼穀物価格指数が最高(6月3日)
 国連食糧農業機関(FAO)が発表した5月の食料価格指数で、穀物が前年同月より29.7%高い173.4と、1990年1月の統計公表以降で過去最高となった。2022/23年度の世界の穀物生産は4年ぶりに減り、前年比1600万㌧減の27億8400万㌧になるとの見通しも示した

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