食・農分野の温暖化対策で連携 農研機構と農林中金
2022.03.09
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と農林中央金庫は、農業や食品産業分野の地球温暖化問題の解決に向けて連携する協定を3月9日に締結した。農産物の生産や食品加工に伴う温室効果ガスの排出量を科学的に算定し、削減努力を客観的に評価する技術の普及を目指す。
温室効果ガスの排出量削減は、農林水産分野でも重要な課題になっているが、農業生産者ら個々の事業者は、農産物の生産や加工に伴う排出量の現状を把握するのが難しく、排出削減に必要な技術を導入する機会も限られている。
排出量の測定は、現状では「実測」ではなく、電気や燃料の使用量や貨物の輸送量から便宜的に推定する「みなし方式」が採用されることが多く、客観的で普及しやすい評価手法は開発途上だ。「みなし方式」を前提に削減目標の達成を急ぐと、生産・加工の改善などの削減努力よりも、生産そのものの縮小を優先する本末転倒を招く恐れもある。
農研機構の技術と、農業生産法人や食品加工メーカーなど農林中金の取引先のネットワークを組み合わせ、温室効果ガスの算定手法に削減努力を適切に反映させる仕組みを創り上げ、削減技術の普及を図る方針だ。
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