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福島沖水揚げ事故前の2割  週間ニュースダイジェスト(3月6日~12日)

2022.03.14

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福島沖水揚げ事故前の2割  週間ニュースダイジェスト(3月6日~12日)の写真

 東日本大震災から11年が経過した(3月11日)。東京電力福島第1原発事故で大きな被害に遭った福島県の沿岸漁業は、水揚げ量が事故前の2010年の2割にとどまっている。23年春にも放射性物質トリチウムを含む原発の処理水の海洋放出が始まる見込みで、新たな風評被害が懸念され、試験操業を重ねる漁業者らの反発は根強い。こうした中、農林水産省は原発事故後の日本産食品への輸入規制で、英国の撤廃に向けた手続きが進展したと発表した(3月10日)。英議会の手続きが順調に進めば近く撤廃され、輸入規制を設けた国・地域は13に減る。
 農林水産省が公表した4月期(4~9月)の輸入小麦の政府売り渡し価格は、前期より17.3%上昇した(3月9日)。


 ▼金子農相引退へ(3月7日)
 自民党の金子原二郎農相(77)が記者会見し、夏の参院選(長崎選挙区)に立候補せず、政界を引退する意向を明らかにした。金子氏は長崎県議を経て1983年の衆院選に初当選し5期務め、長崎県知事をはさみ2010年参院選で国政に復帰し、21年10月に岸田内閣の農相として初入閣した
 関連記事:総選挙にらみ手堅い人選 新農相に金子原二郎参院議員

 ▼輸入小麦17%値上げ(3月9日)
 農林水産省は国が輸入した小麦を製粉会社に売り渡す主要5銘柄の2022年4月期(4~9月)の平均価格を、前期より17.3%上げると発表した。北米の不作が国際相場を押し上げたことが主因。その後ロシアのウクライナ侵攻で相場が高騰しており、さらに上昇する公算が大きい

 ▼熊本産に認定工場(3月10日)
 熊本県は輸入アサリを熊本産と偽る産地偽装問題で、漁協の認定工場を通じて出荷するなどの偽装防止策を公表した。認定工場を経たアサリには産地証明を添付する。農林水産省と熊本県は9日、中国や韓国産アサリを熊本産と偽って販売したとして、同県宇土市の水産業者2社に食品表示法に基づく表示の是正を指示したと発表した

 ▼水揚げ事故前の2割(3月11日)
 東京電力福島第1原発事故から11年が経過、甚大な被害に遭った福島県の沿岸漁業は、水揚げ量が事故前の2010年の2割程度にとどまり、販路拡大もできていない。23年春にも放射性物質トリチウムを含む原発の処理水の海洋放出が始まる見込みで、風評再燃も懸念されている

 ▼食料安保圧迫と非難(3月11日)
 日米欧の先進7カ国(G7)は臨時農相会合をオンラインで開き、ロシアのウクライナ侵略戦争で世界の食料安全保障が圧迫されていると強く批判する声明を採択した。農産物や肥料の価格のさらなる急騰に懸念があるとし、ウクライナへの食料生産支援を国際機関に求めた

 ▼イセ食品が更生手続き(3月11日)
 鶏卵最大手のイセ食品(東京)は会社更生手続きに入ったと発表した。同社と関係会社のイセ(富山県高岡市)の株主と債権者から東京地裁に会社更生手続きを申し立てられ、保全管理命令を受けた。帝国データバンクによると2社合計の負債総額は453億円

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